「働いていると障害年金を受けとれない」というのはよくある勘違いです。
いま働いている方でも条件をみたせば、障害年金を受けとることができます。
障害年金を受けとっている方の3人に1人は働いています。
2019年に厚生労働省が行なった年金制度基礎調査(障害年金受給者実態調査)の結果をみてみましょう。
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障害年金年金を受けとっている方の3人に1人は働いている
障害年金年金を受けとっている方の34%が働いています。
障害年金年金を受けとっている方の3人に1人は働いています。
「働いているから障害年金を受けとれない」ということはありません。
65歳未満なら障害年金を受けとっている方の4割以上が働いている
50歳すぎると働いている方の割合がだんだんと下がってきていますが、厚生年金・国民年金を合計した障害年金を受けとっている方のなかで65歳未満は43.1%が働いています。
障害年金を受けとっている方でフルタイムで働いている方は約1割
- 障害年金年金を受けとっている方の34%が働いている。
- 障害年金を受けとっている方のなかで65歳未満の方は43.1%が働いている。
その一方で、障害年金を受けとりながら週40時間以上働いている方、いわゆるフルタイム勤務の方の割合は少なく1割(10.5%)しかいません。
障害年金を受けとっている方で、一番多い就労時間は週10時間以内
障害年金を受けとっている方の就労時間は、週10時間未満(26.9%)が1番多いです。週20〜30時間未満(23.4%)が2番めに多く、週30〜40時間未満(19.3%)が続きます。
週40時間以上のフルタイムで働いている方は約1割(10.5%)と多くはありませんが、フルタイム以外の勤務時間は全体的にバラけています。
障害年金を受けとりながら自分に無理ない範囲の時間で働いている方が多い、と見ることもできるのではないでしょうか?
障害年金を受けとっている方の仕事の内容は「障害福祉サービス事業所等」と「臨時・パート等」合わせて45%
厚生年金・国民年金を合計してみると、障害年金を受けとっている方の仕事の内容は「障害福祉サービス事業所等」(31.3%)が1番多く、「臨時・パート等」(23.7%)が2番めです。
就業者について仕事の内容を年金制度別にみると、厚生年金計では「常勤の会社員・ 公務員等」(38.0%)1番多く、「臨時・パート等」(26.4%)が2番めに多くなっています。
国民年金計の場合、男女計では「障害福祉サービス事業所等」(36.3%)が1番多く、「臨時・パート等」(23.0%)が2番めに多くなっています。
障害年金を受けとり、無理のない範囲で働くことをめざしてみては
「働いていると障害年金を受けとれない」というのは勘違いであることが、政府統計からわかっていただけたと思います。
一方で、フルタイムで働いている方は障害年金を受けとっている方のなかで1割程度であることもわかります。
障害年金受給者の 1週間あたり就業時間 |
単位 (時間) |
~10 | 10~20 | 20~30 | 30~40 | 40~ | 不明 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
厚生年金・国民年金計 | 単位 (%) |
26.9 | 17.3 | 23.4 | 19.3 | 10.5 | 2.5 |
障害年金を受けとることができる条件(障害年金の受給要件)は3つ。
- 障害の状態が障害認定日に障害年金の障害等級に該当すること
- 障害の原因となる病気やケガで初めて病院で診療を受けた日(初診日)に年金に加入していること(国民年金は例外あり)
- 年金の保険料の納付が一定以上あること(免除や猶予などの期間も含まれます)
障害の状態によって、生活することや働くことに困難があることで障害年金を受けとることができます。
障害の状態にあって仕事や生活で困っているのでしたら、フルタイムで働くことだけにこだわる必要はないのではないでしょうか。
障害年金を受けとり、無理のない範囲で働くことをめざしてみてはいかがでしょうか?
障害年金請求についてのご相談、フォームからお申込みいただけます。
【編集後記】
今年(2022年)は映画を100本観てみようかと思っています。
障害年金の相談、労働問題の相談、さまざまな状況の方からの相談を受けて人それぞれ考え方や希望することがちがうのだと、日々実感しています。
日々実感したうえで、さらに想像力・共感力を高めるためには映画を観るのが欠かせない、「映画を観るのも仕事の内」と家族には説明して・・・。
新型コロナウイルス感染が広がっていますので映画館には行けないかもしれませんが、Amazonプライムビデオを中心に今年1年で100本観ようかと。
すでに今年に入ってけ18本観終わりました。
週末には子どもと2人で2本!
『チア・アップ!』(字幕版)
『ネギをサクサク、卵をポン』(字幕版)
タイトルをみたときには「イマイチかな・・・」と思いながらも、観てみたらそれぞれ感慨深く。
どちらの映画も、第一印象・先入観で人をきめつけてはいけないなと思う登場人物がいて。
2本とも観てよかったなと。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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