昨年度(2020年度)の国民年金保険料の最終納付率は統計をとりはじめた2004年度以降で最高値となる77.2%でした。
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国民年金保険料の最終納付率は77.2%だが約4割が全額免除・猶予が占める
昨年度(2020年度)1年間の国民年金保険料の納付状況について2021/06/28に厚生労働省から発表されています。
2020年度の国民年金保険料の最終納付率は77.2%。
統計をとりはじめた2004年度以降で最高値でした。
しかし、この最終納付率77.2%とは国民年金保険料を全額払った人の割合ではありません。
約4割の方が国民年金保険料の全額免除・猶予者です。
国民年金保険料を払えない方は免除・猶予の申請を必ずしましょう
国民年金保険料の納付者等の人数は726万(50%)人に対して、国民年金保険料の全額免除・猶予者が609万人(42%)。
そして、国民年金保険料の全額保険料免除・猶予の手続きをしないまま保険料を払っていない(保険料未納)方が115万人います。
国民年金保険料の全額保険料免除・猶予の手続きをすると、保険料を1円も払っていなくても「未納」とはなりません。
障害年金や遺族年金を受けとるための保険料納付要件をみるときには、国民年金保険料の全額保険料免除・猶予の手続きをした対象となる月は保険料を全額払った月と同じ扱いになります。
保険料を払っていなくても全額保険料免除・猶予の手続きをしていれば障害年金を受けとれたという場合でも、手続きをしないで保険料を払わずにいた保険料「未納」であれば障害年金を受けとれないということもありうる話なのです。
万が一のときに残された家族が遺族年金を受けとれなくなるということにもなります。
もちろん、保険料納付要件を満たせばだれでもどんな場合でも障害年金を受けとれるのではなく他の要件も満たす必要があります。
しかし、他の要件を満たしていても保険料納付要件を満たさなければ、障害年金や遺族年金を受けとることはできません。
保険料を払わないこと自体は同じでも、全額保険料免除・猶予の手続きをしているかいないか?その1つだけで保険料未納となるか保険料納付と同じ扱いになるか、決定的なちがいとなります。
全額保険料免除の場合は猶予とはことなり、将来受けとる老齢年金は1円も保険料を払っていないのに免除期間は1/2の年金額が保証されます。
免除申請をしていないで保険料を払っていない期間は老齢年金は1円にもなりません。
国民年金保険料を払えない方は免除・猶予の申請を必ずしましょう
国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
思わぬ病気やケガで、障害の状態になることや万が一の不幸もありえます。
国民年金保険料の免除・納付猶予が利用できる方は、1日も早く手続きをしましょう。
日本年金機構のホームページからパンフレットをダウンロードして確認しましょう。
学生納付特例リーフレット
https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/seido-shikumi.files/LN15.pdf
国民年金保険料の納付が困難な方へ
国民年金保険料の免除・納付猶予申請が可能です!
https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/seido-shikumi.files/06-01.pdf
知っていますか?保険料の免除制度
https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/seido-shikumi.files/LN04.pdf
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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