新型コロナウイルス感染症関連の倒産が増加する予想がされています。
それにともなう未払賃金立替払制度の利用も増える予想です。
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会社が倒産して賃金が未払いとなった労働者。未払賃金立替払制度の相談を労働基準監督署へ
新型コロナウイルス感染症の影響で会社が倒産して、賃金が未払のまま退職した。
会社が倒産して賃金が未払いとなった労働者は、未払賃金の80%を国から受けとる制度があります。
未払賃金立替払制度です。
できるだけ早く未払となっている賃金の立替払の手続を進めることができるように、労働基準監督署で相談と申請の受付けをしています。
該当する方は相談するように厚生労働省が呼びかけています。
未払賃金立替払制度の内容についてはこちらの記事で紹介しています。
【未払賃金立替払制度】倒産で未払い。給料・退職金8割受けとれる
2019年度【未払賃金立替払制度】支給者数23,992人(対前年度比1.9%増加)
未払賃金立替払制度【2019年度の実施状況】
立替払を行った企業数及び立替払額は減少、支給者数は増加
企 業 数 | 1,991件 | (対前年度比6.7%減少) |
支給者数 | 23,992人 | (対前年度比1.9%増加) |
立替払額 | 86億3,779万円 | (対前年度比0.7%減少) |
【未払賃金立替払制度】300人未満の会社で働いていた労働者に圧倒的(88%)に利用されている
労働者数 | 支給者数 |
---|---|
30人未満 | 12,079 |
30〜299人 | 9,146 |
300人以上 | 2,767 |
企業規模別の立替払状況 厚生労働省 から作成
2020年度【未払賃金立替払制度】新型コロナウイルス感染症関連の倒産増加、未払賃金立替払の増加の予想
2020年9月16日に開催された第89回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会の議事録を見ると、
- 来年(2020年度)は新型コロナウイルス感染症関連の倒産が増加
- 未払賃金立替払の増加
が予想されています。
労災管理課長からは「新型コロナの流行に伴い、今後、未払賃金の立替払の請求といったものが増加していくことが見込まれています。」とあります。
委員からも発言がされています。
・「現在、コロナ禍の状況におきまして、多くの経営者の方が大変厳しい状況におかれている」
・「コロナ関連の破綻が累計で500件に達し、今後も増えるのではないか、こういう報道もあるところでございます。我が国経済が短期的にV字回復する見通しが立っているかというと、これまた残念ながら立っている状況ではございません。
そのため、労働者の方々のセーフティーネットとして、未払賃金立替払事業の予算を拡充し、手厚くしていくということは、大変重要だと思っております。」
・「今回コロナでいろいろなことが起きている中で、未払賃金立替払というのが膨らむ可能性があるというのは、御指摘のとおりかなと思いますので、そこについてはやむを得ないと思います」
来年(2020年度)は新型コロナウイルス感染症関連の倒産が増加すると予想されています。
いざというときには、未払賃金立替払制度を利用して未払賃金の8割を国から受けとれることを知っておいていただければと思います。
未払賃金立替払の上限など詳しくはこちらの記事で紹介しています。
【未払賃金立替払制度】倒産で未払い。給料・退職金8割受けとれる
【編集後記】
倒産による離職は失業手当(雇用保険の基本手当)の受けとりが有利になります。
失業手当は7日間の待機を終えてから受けとります。
自己都合退職の場合はさらに2ヶ月間待ちますが、倒産による失業の場合は特定受給資格者となり待機を終えるとすぐに支給されます。
さらに、失業手当を受けられる日数も増えます。
特定受給資格者についてはこちらの記事で紹介しています。
解雇だけじゃない。失業保険すぐに受け取れる【特定受給資格者】はどんな人?
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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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