2021年の労働災害発生状況が東京労働局(厚生労働省)から発表されました。
労働災害による死亡者は、2020年の39人から77人へと倍増しています。
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2021年労災【死亡災害】前年対比で約2倍(39人から77人へ倍増)
2021年は死亡者数が39人から77人へと前年対比で倍増(1.97倍)しました。
死亡災害の3人に1人は「落」ちる災害
「落」ちる災害(墜落・転落)による死亡者は27人。
墜落・転落による死亡災害は、2020年の7人から約4倍増加しました。
死亡災害の3人に1人(35%)が「落」ちる災害によるものです。
令和3年労働災害発生状況 厚生労働省・東京労働局
2021年労災【死傷災害】の最大原因は「その他」(=コロナ感染)、2位は「転倒」
休業4日以上の「死傷者」数は12,876人。前年(10,645人)対比で約2割増加しました。
前年対比で増加人数2231人ですが、新型コロナウイルス感染症2,834人ですので、死傷者の増加はコロナ感染によるものです。
死傷災害を事故の型別でみる最大原因は「その他」で36%(4,682人)でコロナ感染によるものが2,834人。
「その他」を除くと、1番多いのが「転倒」で全体の20%(2,582人)を占め、2番めに多いのが「動作の反動・無理な動作」が16%(2,049人)です。
「動作の反動・無理な動作」は腰痛を発生させますが前年対比で11%増加しています。
死亡災害では「落ちる」(墜落・転落)、死傷災害では「転ぶ」(転倒)がコロナ感染を除くともっとも多い災害です。
令和3年労働災害発生状況 厚生労働省・東京労働局
死亡者数・死傷者数ともに第三次産業が最も多く、死亡者数77人中34人で全体の44%。
死傷者数12,876人中9,175人で全体の71%を第三次産業が占めています。
死傷災害のワースト2、コロナ感染・転倒、仕事が原因での病気・ケガは労災申請する
死傷災害の最大原因はコロナ感染(病気)で2番めに多いのが転倒(ケガ)。
仕事が原因である病気やケガは業務災害。
通勤が原因であれば通勤災害です。
業務災害・通勤災害はどちらも労働災害ですから、労災申請します。
労災申請とは、労災保険給付を請求することです。
仕事が原因・通勤でケガをしたり病気になったら、最初に行なう2つの労災申請として、療養(補償)給付、休業(補償)給付があります。
仕事が原因・通勤でケガをしたり病気になったら、最初に行なう2つの労災申請 | 労災保険からの給付 | 労災申請先 (請求書の提出先) |
|
---|---|---|---|
1 | 療養(補償)給付 | 医療(診察・治療・薬など)を無料でうけることができる | 労災指定病院など
(病院・薬局) |
2 | 休業(補償)給付 | 仕事を休んだ日に平均賃金の8割が支給される
|
労働基準監督署 |
【編集後記】
昨日(2022/06/02)はよく晴れていたので、多摩湖までポタリング(自転車散歩)に出かけました。
6月に入って梅雨を意識しているからか、アジサイの花が咲いているのに今年はじめて気がつきました。
堰堤から多摩湖(村山貯水池)を見ると、緑が豊かで癒やされます。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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