「残業代の未払いがある!」という労働者の方。
残業代未払いは労基署に申告しましょう。
労基署の監督指導の結果、2021年度の1年間だけで約6万5千人(6万4,968人)の労働者に未払いの残業代が支払われています。
今日もこんな時間までサービス残業。残業させるならせめて残業代は払ってくれ〜。
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2021年度の労基署の監督指導で未払いの残業代が約6万5千人の労働者に支払われた
2021年度の労基署の監督指導による賃金不払残業の是正結果が2022年8月30日(火)に厚生労働省から発表されました。
発表によると、2021年度の労基署の監督指導の結果、未払いの残業代が約6万5千人(6万4,968人)の労働者に支払われています。
2021年度監督指導による賃金不払残業の是正結果
- 是正企業数 1,069企業(うち、1千万円以上の割増賃金を支払ったのは115企業)
- 対象労働者数 6万4,968人
- 支払われた割増賃金合計額 65億781万円
- 支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり609万円、労働者1人当たり10万円
2021年度の労基署の監督・指導で65億円超の未払い残業代が労働者に支払われた
労基署が実施した定期監督と労働者からの申告による監督。
この労基署の監督によって割増賃金の不払に係る指導を行った結果、
2021年度の1年間で65億円超(65億781万円)もの未払い残業代が労働者に支払われました。
(1企業で合計100万円以上の割増賃金の支払いがなされたものの集計金額)
業種別でみると、保健衛生業がもっとも多く全体の24.1%で15億6千740万円。
2番目に多い製造業が全体の14.7%で9億5千787万円。
商業、建設業、教育・研究業が続きますが、グラフをみてわかるように他のさまざまな業種でも是正支払いが行われています。
「100万円以上の割増賃金の遡及支払状況(令和3年度分)」厚生労働省
賃金の未払いがあれば労働基準監督所に申告しよう
2021年度の労基署の監督・指導の結果、65億円超の未払い残業代が労働者に支払われました。
労基署が実施した監督は、定期監督のほかに労働者からの申告によって実施されています。
まずは未払いの残業代を支払うように会社に請求しましょう。
それでも、支払われないときには労基署に労働基準法違反で申告しましょう。
労働基準監督署では、「労働基準法違反の申告をするので労働基準監督官と話す」ことを伝えましょう。
参考記事
2022年8月30日(火)の厚生労働省の発表では、2021年度の労基署の監督・指導とその結果の事例が紹介されています。
事案の概要 (業種:保健衛生業) |
●「時間外労働を行った時間について申請させてもらえず、割増賃金が不払となっている」との情報を基に、労基署が監督指導を実施。
●労働時間は、勤怠システムにより把握していたが、勤怠記録と施設の警備記録との間に大きな乖離が確認された。 ●労働者からの聴き取り調査において、企業全体で残業時間を過少申告する風潮があることや、 管理者による勤怠システムの改ざんの疑いが確認できたため、勤怠記録と警備記録との間の乖離の原因究明や労働時間の過小申告等より不払となっている割増賃金を支払うよう指導。 |
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企業が実施した 解消策 |
●施設の警備システムの記録や労働者へのヒアリングなどを基に、労働時間の過少申告等で不 払が生じている労働時間数などについて調査を行い、不払となっている割増賃金を支払っ た。
●賃金不払残業の解消のために次の取組を実施した。 (1)労基署の職員を講師として、各施設の管理者を対象とした労働時間の適正な管理に関する 研修会を実施し、管理者が労働者の労働時間を適切に管理する必要性について意識向上を 図った。 (2)勤怠記録と業務で使用するパソコン等の記録等を確認することにより適正な労働時間が記 録されているか確認することとした。 (3)実態調査の中で割増賃金を支払うための十分な予算措置が講じられておらず、残業時間を 適正に申告してもその時間に対する割増賃金が払われないことが、残業時間を過小に申告するようになった要因の1つと判明したため、予算を理由として割増賃金が適正に支払われないことがないよう予算管理の部署と連携し、必要な予算措置を講じた。 |
他にも3つの事例が紹介されていますので、みてみましょう。
【編集後記】
死に体の相手を土俵下に叩き落とすような汚い相撲を取らなかった貴乃花。
相撲にはほとんど興味がないのですが貴乃花のことは尊敬しています。
その貴乃花が監修したDVD&小冊子を見つけてAmazonで買いました。
シコアサイズ―貴流運動法
試してみようかと。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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