2021年1月1日〜7月31日までに発生した労働災害の速報値が、2021年8月24日に厚生労働省から発表されています。
Contents
【労働災害】もっとも多い事故は、転ぶ・落ちる
2021年1月1日〜7月31日までに発生した労働災害の速報値をみると、もっとも多い事故の型がわかります。
死亡災害では「墜落、転倒」です。全体の27%を占めています。
休業4日以上の死傷災害では「転倒」そして「墜落、転落」です。全体の37%を占めます。
転ぶ、落ちるは、もっとも多い重大事故の型です。
「ドジだから転んだ」
「気をつけろと言ったのに転んだのは自分の不注意だ」
今でもこんなことを言う(考える)職場がまだありますが、誤った考え方です。
「人は転ぶ・落ちる存在だ」と正しく認識して、事故防止のための対策を実施することで「転倒」「墜落、転落」を防止することができます。
転ばない、落ちないための対策は重要な取り組みです。
職場のヒヤリハット事例をもとに安全対策(職場改善)を会社に要求していきましょう。
【労働災害】死亡者数は397人(同5.0%増)
前年対比で増えた減ったという以前に、死亡事故はあってはならない事故です。
人は死ぬために働くのではありません。
人は生きるために働く、あるいは生きることの一部として働きます。
生きることが前提にあって働くのですから、仕事で死ぬことはあってはならないことです。
今年(2021年)1〜7月までの7ヶ月で397人もの方が労働災害で亡くなっています。
労働災害で死亡が発生した職場では原因を調べ職場・作業環境を改善して、二度と労働災害が発生しない職場づくりが必要です。
重大な事故が1件発生する背景には、軽くて小さな事故が29件発生している。
小さな事故の背景には、事故にはいたらなかったがヒヤリとしたハッとした300の異常がある。
「気をつけろ!」では労働災害をなくすことはできません。
ヒヤリ・ハット事例をもとに、労働災害が起きない職場づくりが必要です。
【休業4日以上の死傷者数】第三次産業が41.5%増38,996人。業種別で最多人数
【労働災害】休業4日以上の死傷者数は前年同期比24.0%増(7万2,505人)
今年(2021年)1〜7月までの7ヶ月だけで労働災害による休業4日以上の死傷者が7万2,505人もいます。
前年同期比で24%増加(14,017人増加)しています。
なかでも飛び抜けて増加しているのが第三次産業です。
【労働災害】休業4日以上の死傷者数は第三次産業で41.5%増。業種別で最多人数38,996人
第三次産業の休業4日以上の死傷者数は、前年同期比で41.5%増加(11,439人増加)して38,996人です。
休業4日以上の死傷者数の53.8%が第三次産業の労働災害です。
「サービス業だから労災とは関係ない」ではありません。
サービス業だから労災が発生しないように職場改善をしなければならないのです。
【編集日記】
今日も暑くなるようですが、明日からは秋の気配が感じられる予報です。
夜に少し遠くから聞こえてきていた虫の音が、朝から大きく聞こえてくるようになりました。
もう少ししたら秋を感じる出歩きをしたいのですが、仕事以外で電車に乗るのは避けたいので、自転車ででかけてポタリング&トトロの森歩きを楽しもうかと。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
最新記事 by 小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都) (全て見る)
- 【産休・育休】厚生年金・健康保険の保険料免除について知ろう - 2023年3月29日
- 2023年4月1日【出産育児一時金】8万円増額1児50万円支給 - 2023年3月16日
- 【60歳で老齢年金繰上げ受給を検討中】繰上受給したあとで障害年金請求できるか? - 2023年3月14日