「36協定があるから残業代をつけられない」で検索してBlogを読みに来ていただいた方がいます。
労働相談を受けていると同じような相談がときどきあります。
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36協定がないのに残業(法定時間外労)すると法律違反になるのは誰?⭕会社(使用者)。❌労働者
36協定がなければ残業(法定時間外労働)させると会社(使用者)は法律違反です。
「36協定があるから残業代をつけられない」というのはどういうことでしょう?
労使協定に定めた1月の上限時間を超えて働いた分は残業代が支払われなくて困っているという労働者の話です。
36協定を締結して労働基準監督署に届けた場合は、その労使協定で定められた時間までは残業(法定時間外労働)させたとしても労働基準法違反として会社は罰せられないというのが36協定の効果です。
36協定があるから、その労使協定で定めた時間数を超えた残業代は支払わなくていいはずがありません。
「36協定があるから残業代をつけられない」は絶対にウソです。
話が逆さまですが、意外とそういうことを言って払わないという会社が実際にあるので驚きます。
だまされないように注意しましょう。
36協定と法定労働時間外労働の割増賃金についてはこちらの記事で紹介しましたので参考にお読みください。
「労使協定(36協定)がないから残業代は出ないよと言われた。残業代を払ってほしい。」
残業したら36協定があろうとなかろうと1分単位で残業代を支払わなければなりません。
もし支払わなければ会社が労働基準法違反という犯罪をしていることになります。
残業代には2種類ある。所定労働時間外労働に対する賃金。法定時間外労働に対する割増賃金。
中野サンプラザ前の時計台 <PM6:19>
・AM9時〜PM6時まで休憩1時間で実働8時間だとしたら19分の残業代(法定時間外労働の割増賃金)を支払われないと会社(使用者)は労働基準法違反の犯罪をしたことになります。
・AM9時〜PM5時まで休憩1時間で実働7時間が所定労働時間の契約でしたら、19分の法定時間外労働の割増賃金とは別に、1時間の残業代を支払われないと賃金全額払の原則違反でやはり会社は労働基準法違反の犯罪です。
働いた時間(労働時間)は1分単位で計算して賃金を支払わなければ会社(使用者)は労働基準法違反
働いた方(労働者)は36協定があろうとなかろうと残業代(法定時間外労働の割増賃金)を1分から会社に請求できますし、支払わなければ会社は法律違反です。
こちらの記事で紹介しました。
「働いた時間(労働時間)30分単位で計算なので25分働いた分は給料払われない。毎日の仕事は1分単位で計算して給料を払う。 労働基準法24条」
“残業代は就業規則で30分単位で計算すると定められているから29分までの残業には残業代払われないんだよ”と言われたとしても、それも労働基準法違反(違法)です。
こちらにもだまされないように注意しましょう。
【編集後記】
未払賃金の時効は2年間です。
改正民法によってこの未払い賃金請求権の時効が5年間へ延びることが話題になっています。当面は3年間への延長という話でどうなることか。
いずれにしても、さかのぼって請求できるように出退勤の時刻は毎日きちんと記録して残しておきましょう。
【編集後記】
新宿駅西口を出て地上へ出てすぐの西新宿。(2020/01/09 07:53)
今日は朝から快晴でした。
昨日の1日1新 ミルクホイップブリオッシュ
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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