仕事をしているとき、仕事がはじまる前後の準備や後片付けなどで、ケガをした場合には労災保険から給付を受けられます。
仕事をしているというときではなくても、トイレで用を足す、水を飲むなどをしているときにケガをした場合は、仕事(業務)に付随する行為として労災保険から給付を受けられます。
昼休みなど休憩時間でも仕事のはじまる前後の時間で準備や後片付けをしていないときでも、事業場施設に起因するケガは業務災害です。労災保険から給付を受けられます。
業務上の意味は幅広く、業務上のケガは労災保険から給付を受けられます。
「労災保険。業務災害として認められるには。業務起因性と業務遂行性。」
「準備や後始末でのケガは就業時間の前や後でも業務災害。労災保険。」
「休憩時間、就労前後も、事業場施設に起因するケガは業務災害です。労災保険。」
業務上の“ケガ”というのはイメージがつきやすいですが、
“病気”についても業務上災害として労災保険から給付を受けられます。
今日の記事は、労災保険から給付を受けられる業務上疾病についでです。
Contents
業務上のケガは労災保険から給付を受けられます
業務上疾病とは業務に起因する疾病のことです。疾病とは病気のことです。
労働者が業務に起因して病気にかかった場合、使用者は必要な療養を行いその費用を負担しなければならないことが法律で定められています。(労基法第75条 療養補償)
業務上の疾病には災害性の疾病と非災害性の疾病がある
業務業の疾病 | 労災保険の対象となる疾病。業務に起因して発生する疾病 |
---|---|
災害性の疾病 | 業務と疾病との間に災害が介在する疾病 |
非災害性の疾病 | 職業病 |
災害性の疾病とは、業務と疾病との間に災害が介在する疾病のことです。
たとえば、こんな場合は災害性疾病です。
業務上で頭をケガして慢性硬膜下血腫という病気になってしまった。
業務上でハチに刺された、マムシに噛まれた、というケガをして、ハチやマムシの毒が体の中に入って病気になってしまった。
非災害性の疾病とは、いわゆる“職業病”のことです。
職業活動に内在する有害作用など長期間にわたる影響で徐々に発生する病気が非災害性の疾病です。
“職業病”として認められないと労働者個人の病気と見られてしまいがちな病気です。
そこで、業務との因果関係が確立したと認められる疾病は職業病リストとして労働基準法施行規則別表第1の2の2号〜9号にまとめられています。
そして、10号で例示疾病の追加・見直しができるようにされていますし、
11号で、2号〜10号で例示されていない個別の業務上の病気についても労災として認定ができる内容となっています。
労働基準法施行規則(昭和二十二年厚生省令第二十三号) 別表第一の二 | |
---|---|
1 | 業務上の負傷に起因する疾病 |
2 | 物理的因子による次に掲げる疾病 |
3 | 身体に過度の負担のかかる作業態様に起因する次に掲げる疾病 |
4 | 化学物質等による次に掲げる疾病 |
5 | 粉じんを飛散する場所における業務によるじん肺症又はじん肺法(昭和三十五年法律第三十号)に規定するじん肺と合併したじん肺法施行規則(昭和三十五年労働省令第六号)第一条各号に掲げる疾病 |
6 | 細菌、ウイルス等の病原体による次に掲げる疾病 |
7 | がん原性物質若しくはがん原性因子又はがん原性工程における業務による次に掲げる疾病 |
8 | 長期間にわたる長時間の業務その他血管病変等を著しく増悪させる業務による脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、高血圧性脳症、心筋梗塞、狭心症、心停止(心臓性突然死を含む。)若しくは解離性大動脈瘤又はこれらの疾病に付随する疾病 |
9 | 人の生命にかかわる事故への遭遇その他心理的に過度の負担を与える事象を伴う業務による精神及び行動の障害又はこれに付随する疾病 |
10 | 前各号に掲げるもののほか、厚生労働大臣の指定する疾病 |
11 | その他業務に起因することの明らかな疾病 |
週末の1日1新:LINEモバイル音声SIM届いた。iPhoneXs届き設定した。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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