大学生のときあまり勉強していなかったので、勉強に対して不燃感があり、卒業後も本を読んだり、必要に応じてExcelやAccessをはじめPC・IT関連のセミナーを受講するなどして、勉強を続けていました。
しかし、試験勉強をしたのは簿記検定3級が初めてでした。
簿記は資格試験ではありませんので、3級に合格した2級に合格したといっても何かの資格になるわけではないのですが(1級に合格すれば税理士受験資格が得られますでしょうか。)、簿記検定3級の勉強はオススメです。
Contents
勤め人(労働者)の方にオススメの勉強は3つ
何か学んでみたいけれど、何を勉強したら良いのかわからないという方はこの3つから選んでも良いと思います。
- 労働法の基本(労働基準法や労災保険法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法など各法、日本国憲法、民法、刑法、民事訴訟法の入門)
- PC・ITの入門(ExcelとVBAマクロの基本、PC操作の基本など)
- 簿記3級程度の会計の入門(簿記2級は工業簿記が加わる程度で基本は3級の知識で十分だと思います。)
この3つの中で、“短期間で勉強できて”長い間役に立つとしたら、先ずは簿記3級の勉強がオススメです。
簿記の知識は、伝票に関わる仕事をしているだけでは理解するのは難しいのではと私は思っています。
伝票処理の仕方だけをマニュアルで覚えても、その伝票処理で実現される“意味”がわかりません。
伝票に関わる部署に異動したとしても会計ソフトの入力作業をすることでは簿記の考えを理解することはできないのではないかと想像します。
たとえば一番簡単なことですが、商品の売買に関わることの基本を以下の等式で表現できます。
(実務は別として簿記の勉強から15年以上過ぎていますから、間違っているかもしれませんが)
期首在庫+当期仕入 – 当期売上原価=期末棚卸(商品・期末在庫)
等式(右辺=左辺)ですので、
期首在庫+当期仕入ー期末商品棚卸(期末在庫)=当期売上原価
と計算することができます。
実地棚卸が理論上の棚卸(「期首在庫+当期仕入ー当期売上」)より少なければ、
期首在庫+当期仕入ー当期売上ー棚卸減耗損=期末棚卸(商品・期末在庫)
と認識することができますので、在庫管理ロスがどの程度の問題かわかります。
簿記3級の試験に合格しても何かの資格を取得するわけではありませんが、
簿記3級の勉強をすることで三分法を理解することの意味は大きいと思います。
三分(さんぶん)法とは商品売買の処理について「商品」を、仕入、売上、繰越商品の3つに分けて考えるということです。
費用としての仕入の話をしているのか売上を問題にしているのか、資産を問題にしているのか、商いの場面がわからずに“商品”という言葉を使っていると困ります。
簿記3級を試験に合格するためではなく、簿記3級試験に合格できる程度に簿記を理解すると、仕事のお金について問題の所在(何が問題になっているのか)が理解できるということです。
簿記3級の勉強をすることで、仕事の問題をお金を通じて理解できますので、仕事をする上でのスキルが身につきます。
そして、貸借対照表、損益計算書を見ることができると、勤めている会社の経営状況を見ることができます。
例えば、粉飾決算をするときに期末棚卸(商品・期末在庫)を実際よりも水増しすることがあります。
会社の決算作成中に怪しいなと思ったら、勤め人の代表の方が棚卸した資産をチェックするという知恵が出るかもしれません。
営業外収益がバランスとして大きい場合は、内容を精査する必要があるという場合もあるかもしれません。
簿記3級を学べば会計がわかるというわけにはいきませんが、会計の入門としての勉強になります。
仕事のスキルが向上するというメリットと、勤め先の会社の経営状況を知るという労働者として身を守るスキル獲得というメリットもありますのでオススメです。
10日間だけなら勉強できる!?簿記3級は短期間で試験勉強ができる。
私(小倉 健二)のプロフィールをご覧いただきますと
「・2002年(平成14年) 6月 9日 簿記検定3級 合格」からはじまります。
私は書籍「10日で合格る!日商簿記3級最速マスター」(LEC)で勉強しました。
現在は名前が変わって、
日商簿記3級 光速マスターNEO テキスト 第3版
のようです。
たとえば、1年間勉強を続けないと知識として生かせないとなると、勉強に慣れていない方には始めることを躊躇するのではないでしょうか。
10日で合格するならいいか、と簿記3級の勉強を私は学び始めることができました。
(試験勉強経験のない私にはハードルが高く1月近くかけて勉強したように思います。)
簿記3級は年3回も試験が開催される。2月6月11月、いつでも気軽に受験できる。
もしオリンピックのように4年に1回しか試験が開催されなかったらどうでしょうか。
受験して失敗したら次は4年後にならなければ受験できない。プレッシャーが大きいと思います。
なかなかチャレンジしてみようとは思えないのではないでしょうか。
たとえば1年に1回しか開催されない試験だったらどうでしょうか。
やはり大きなプレッシャーを感じるのではないでしょうか。
高校受験や大学受験などの受験以外には、学校を卒業してから何かの試験を受験をしていない方も少なくないと思います。
短い期間の勉強で受験できて、勉強した内容が勤め人としてメリットがあり、たとえ試験に落ちたとしても1年に3回も試験があるので次の試験に気軽に受験できる。
勤め人(労働者)の方が“学びたい”と思ったら、簿記3級の勉強をまず最初にするのはオススメです。
【編集後記】
簿記3級試験受験したときに2級試験会場の教室にはいっていく方を見て、すごいなーと思いました。
しかし3級試験に合格すると、
2級試験も合格できるんじゃないかなと自然に思えました。
今度は同じシリーズの書籍20日で合格る!2級(10日☓2冊)で勉強して合格しました。
ハードルは小さく、スモールステップで進むと、始める前は大きく感じていたことも、できる自信が自然に湧いてくるかもしれません。
テキストの内容でわからないことについて質問の電話をしたことがあります。
そんな本は出版していないと言われて、おかしいなあと思いながら話していたら
電話していた先はTACでした。LECに電話しているつもりでTACにかけていたのでした。
ローマ字3文字でLECとTACの2つがあるとは思いもよらず間違えて調べてしまったのでした。
今思い出してもそのときの場面が目に浮かびます。恥ずかしかったです。
今日の1日1新:新宿中村屋 力まん
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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