新しい年2019年がはじまりました。
お正月は漫才やコントをテレビで家族いっしょに見るのが好きです。
楽しい番組を見るのは好きなのですが、テレビは放送される時間が決まっていますので、見たいときに自分の好きな番組を見ることができないのが残念なところです。
ネットの動画は、自分が気になる内容だけ自分の都合の良いときに見ることができるのが便利です。
TEDなら自分が見たいテーマのスピーチを短い時間でいつでも見られます。
20分で見られる、新しい年を展望するテーマのTEDスピーチの紹介です。
Contents
「出自にまつわる通説を退ける勇気を」チェタン・バット(Chetan Bhatt)さん
19分15秒のTEDスピーチ。チェタン・バット(Chetan Bhatt)さん。
3日前の12月29日に日本語TEDから新着ビデオのお知らせが出たばかりのスピーチです。
“集団主義”を、これほどはっきりとわかりやすく批判していることに驚きました。(チェタン・バットさんは“集団主義”という言葉を使っていませんが。)
19世紀の市民革命によって国家や宗教やギルドなどのしがらみに縛られていた人間が解放されて個人として自由に生きることになったはずだったのに、民族や宗教そして国民という意識が戦争や差別を当たり前のように肯定してしまっているように見えます。
戦前には簡単に非国民と言われてしまっていた個人の尊重・自由(リベラル)主義は、戦後70年以上たっても根付いているとは私には思えません。
チェタン・バット(Chetan Bhatt)さんのTEDスピーチ「出自にまつわる通説を退ける勇気を」を見ると、当たり前のこととして普段考えてもいないアイデンティティの持つ問題性をはっきりと理解することができます。
小さな集団としてのアイデンティティが妨げとなり、人類全体とつながれなくなってしまう
私たちは皆、安心感や帰属意識を得る、自らの起源に関する物語や、民族としての物語、アイデンティティに関する通説を持っています。しかし時には、そういった小さな集団としてのアイデンティティが妨げとなり、人類全体とつながれなくなってしまうばかりか、他者を人間とも思えなくなることさえあるのです。自らを理解する方法について語る力強いトークで、チェタン・バットは、お互いのことや未来のことを、枠にとらわれず自由に考えようと呼びかけます。「どこから来たのか、と問いかけるのではなく、この先どこへ行くのか、と問いかける時が来ているのです」と。 (翻訳 Moe Shoji、レビュー Riaki Hirota)
新しい1年を展望するお正月に、チェタン・バット(Chetan Bhatt)さんのスピーチを動画で聞いてみてはいかがでしょうか。20分で見ることができます。
日本語TED新着
TED日本語チームから新着ビデオのお知らせ
http://www.ted-ja.com/2018/12/chetan-bhatt-dare-to-refuse-origin.html?m=0
2018年12月29日土曜日
ナショナルな価値観に閉じずに、文化に帰属する。是枝裕和監督
ところで、今朝(2019/01/01)新聞(東京新聞)を見ると『万引き家族』でカンヌ国際映画祭最高賞を受賞した是枝裕和監督へのインタビュー記事が載っていました。
是枝さんは、映画祭に行ってみたら、ナショナルな価値観に閉じない、映画への帰属意識を持てるとても豊かな場所だったという話をしています。そしてジャーナリストについて次のように話しています。
日本ではメディアの人が会社と国に帰属している。国があって、新聞社があって、記者がいる。その共同体の中で仕事をしているという意識が社会にあると話します。でもジャーナリストが帰属しているのは本来、国ではなく、真実のはずです。
私自身は帰属意識そのものの問題性を考えてきました。
しかし同じ、帰属意識といっても、組織や民族や宗教といった集団への帰属意識ではなく、映画、スポーツ、ジャーナリズム、文化に帰属するという視点なら、ナショナルな価値観に閉じない、ナショナリズムを超えていく視野を持てるという発想は面白いなあと思います。
東京にお住まいの方は、コンビニに買い物に行ったときにでも、東京新聞を買って読んでみてはいかがでしょうか。
【編集後記】
チェタン・バット(chetan-bhatt)さんという方はTEDスピーチではじめて知りました。
どんなことをしている方なのかネットで調べてみましたが上手く見つかりませんでした。
今日の東京新聞のインタビュー記事を読んで、是枝裕和さんが監督している映画『万引き家族』を観たいと思いましたがBlue-ray発売は4月のようです。映画館ではもう上映していないようで残念です。4月を楽しみに待ちます。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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