【知的障害による障害年金請求】20歳(障害認定日)診断書準備は早めに

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20歳前に初診日がある障害の場合は、国民年金の保険料を払っていませんが障害基礎年金を受けることができます。
早ければ20歳から障害基礎年金を受けられます。
しかし、障害認定日である20歳の時点で病院で診療を受けていない場合は、カルテをもとに障害年金請求用の診断書を書いてもらうことができません。
この場合は20歳をすぎてから受けた診療カルテの記録が残っている時点での診断書で障害年金を請求することになります。
この事後重症請求では20歳から受け取れるはずだった年金なのに、受け取れない期間が発生してしまいますので注意が必要です。

【20歳前障害】保険料は払わずに年金を受け取れる

国民年金の保険料は20歳〜60歳になるまで払う

国民年金法7条1項(被保険者の資格)

次の各号のいずれかに該当する者は、国民年金の被保険者とする

1号 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であつて次号及び第3号のいずれにも該当しないもの(厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)に基づく老齢を支給事由とする年金たる保険給付その他の老齢又は退職を支給事由とする給付であつて政令で定めるもの(以下「厚生年金保険法に基づく老齢給付等」という。)を受けることができる者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。以下「第1号被保険者」という。)

2号 厚生年金保険の被保険者(以下「第2号被保険者」という。)

3号 第2号被保険者の配偶者(日本国内に住所を有する者又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者として厚生労働省令で定める者に限る。)であつて主として第2号被保険者の収入により生計を維持するもの(第2号被保険者である者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。以下「被扶養配偶者」という。)のうち20歳以上60歳未満のもの(以下「第3号被保険者」という。)

20歳前の方は国民年金の被保険者とならないので保険料を払う義務がありません。

20歳前の方でも会社で働いているなど厚生年金に加入している方は国民年金にも加入していますが厚生年金保険料の他には国民年金保険料としては別途払いません。

20歳前に初診日のある病気やケガによる障害は国民年金の保険料を払っていないのですが、国民年金から障害基礎年金を受け取ることができます。

【20歳前障害】は保険料は払わずに障害年金を受け取れるという特殊な年金です。

【20歳前障害】初診日

初診日の主な具体例

状況の具体例 初診日となる日
障害の原因となった傷病について、現在かかっている医師または歯 科医師にはじめて診療を受けた場合 治療行為または療養に関する指示があった日
同一の傷病で転医があった場合 一番初めに医師または歯科医師の診 療を受けた日
過去の傷病が治癒し(社会復帰し、治療の必要のない状態)、同一 傷病で再度発症している場合 再度発症し医師または歯科医師の診療を受けた日
健康診断で異常が発見され療養に関する指示を受けた場合 健康診断日
傷病名が特定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても 同一傷病と判断される場合(例:心因反応→うつ病) 対象傷病と異なる傷病名の初診日
じん肺症(じん肺結核を含む) じん肺と診断された日
障害の原因となった傷病の前に相当程度因果関係があると認められる傷病がある場合 最初の傷病の初診日
先天性の知的障害 出生日
先天性心疾患、網膜色素変性症など 日常生活や労働に支障をきたすような具体的な症状が現れはじめて診療を受けた日
先天性股関節脱臼(完全脱臼したまま生育した場合) 出生日
先天性股関節脱臼(青年期以後になって変形性股関節症が発症した場合) 発症後にはじめて診療を受けた日

先天性の知的障害の初診日は出生日となります。

20歳前に初診日がある障害による障害年金の請求も、初診日の証明が必要なのは20歳以降初診日での障害年金請求と同じです。

しかし、先天性の知的障害による障害年金請求については初診日の証明がいりません。

【20歳前障害】障害認定日

知的障害による障害年金の初診日と受給権発生日

障害年金を受給するために必要な3要件は、初診日要件、保険料納付要件、障害等級該当要件です。

20歳前に初診日がある障害による障害年金請求では保険料納付要件はいりません。

20歳前障害のなかで先天性の知的障害による障害年金請求の初診日は出生日であり、且つ初診日証明(初診日要件)はいりません。

しかし障害認定日に障害等級該当要件を満たしている必要があります。

先天性知的障害の障害認定日は20歳です。

先天性知的障害以外の20歳前障害での障害認定日についてはこちらの記事で紹介しています。
【障害基礎年金】初診日が20歳前と20歳以後での違いは?

知的障害の初診日と受給権発生日

20歳(前後3ヶ月)で医師による診断を受けていないと事後重症請求になってしまいますから、注意が必要です。

20歳前障害で障害年金受取るのはいつ

20歳前初診日による障害年金認定日請求の診断書の現症日

障害認定日請求の診断書の現症日

障害認定日請求を行なう場合は、障害認定日時点での障害の状態を確認します。

そのため、障害認定日以後3ヵ月以内の現症日の診断書を提出します。

20歳前に初診日がある方については障害認定日以降3ヵ月以内だけでなく、障害認定日前3ヶ月の現症日の診断書での提出できます。

知的障害による障害年金請求するための診断書は、何度か通院して医師が障害の状態を確認してから記入することになるでしょうから、20歳になるよりも前に早めに病院へ行って準備をはじめていただければと思います。

障害認定日である20歳前後3ヶ月のカルテをもとに障害年金請求用の診断書を医師が書き障害等級1級2級に該当すると障害年金を受取ることができます。

障害認定日である20歳前後3ヶ月のカルテがない場合は、障害認定日より遅い時点でのカルテをもとに診断書を書いてもらい、事後重症請求することとなります。

事後重症請求の場合は、20歳から診断を受けるまでの期間は年金が支給されなくなってしまいますので注意していただければと思います。

障害年金の事後重症請求についてはこちらの記事で紹介しています。
障害年金。事後重症による請求。

【編集後記】

梅雨が明けたのでポタリング(自転車散歩)再開に向けて準備をしています。
熱中症を予防するために通気性が良く熱がこもらないマスクを探しています。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格