2020年10月23日現在での新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数が厚生労働省から発表されています。
支給・不支給の決定があった98.7%が労災保険給付の支給決定です。
コロナ感染での労災が認められるのは医療従事者等だけで、それ以外の労働者は労災認定されないと思っていませんか?
2020/10/23現在での厚生労働省発表の数値をみてみましょう。
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労災認定(労災保険給付の支給決定)は「医療従事者等」以外が低いことはない
コロナウイルス感染による労災申請というと「医療従事者等」が話題になることが多いからか、医療従事者・介護従事者「以外」の労働者の感染は労災認定されないと思っている方もいます。
しかし、コロナウイルス感染で医療従事者等「以外」の労働者が労災認定(労災保険給付の支給決定)が低いわけではないのです。
医療従事者等以外143件と海外出張者6件の労災申請149件のすべてが労災として認定されています。
新型コロナウイルス感染症に関する労災認定率98.7%(2020/10/23現在)
新型コロナウイルス感染症に関する労災請求に対して決定がなされた857件のうち846件が支給決定されています。
労災保険の不支給決定は857件中11件だけ。
新型コロナウイルス感染症に関する労災認定率は98.7%です。
2019年度は、脳・心臓疾患の労災認定率は31.6%、精神障害の労災認定率は32.1%でした。
令和元年度「過労死等の労災補償状況」を公表します(厚生労働省)
脳・心臓疾患や精神障害と比較することに意味はないのですが、
コロナウイルス感染による申請はほぼ100%に近い(98.7%)労災と認定されていることは注目すべきことです。
労災申請した労働者の78.6%が「医療従事者等」
新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数は2020年10月26日18時の時点で1,728件です。
1,728件の労災申請のなかで医療従事者等は1,358件ありました。
コロナ感染したことで労災申請した労働者の8割を超えた(82.6%)人が医療従事者等でした。
【編集後記】
医療や介護の従事者ではないから、新型コロナウイルスに感染しても労災認定されないと思っている方がいますが、そんなことはありません。
2020/10/23現在のところ、医療従事者等「以外」の労働者からの新型コロナウイルスに感染した申請への労災認定率は100%です。
仕事で新型コロナウイルスに感染した方は労災申請しましょう。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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