DVD『外国人収容所の闇ークルドの人々は今ー』(PARC)を見よう

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日本の外国人収容所に問題があるらしいことは知っていました。
まさかこんなひどいことが今の日本社会で起きているとは知りませんでした。
税抜2,000円。PARC(特定非営利活動法人アジア太平洋資料センター)から発売されています。

PARC DVD 外国人収容所の闇

外国人収容所で人権侵害が起きていることは池田香代子さんの講演で15年以上前から知ってはいたが・・・

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池田香代子さんといえば『世界がもし100人の村だったら』の本で知っているという方もいらっしゃると思います。

はじめて『世界がもし100人の村だったら』という本のタイトルを聞いたときは“一杯のかけそば”のような話の予感がして嫌なイメージでした。

インタビューだったか講演録だったか池田香代子さんが『世界がもし100人の村だったら』について書いてある日本機関紙協会の雑誌『機関紙と宣伝』記事をたまたま読みました。15年以上前のことだと思います。

執筆中にこのままでは“一杯のかけそば”(だったか詩で有名なある方だったかどちらか)のような話になってしまうと危惧してダグラス・ラミスさんに相談したやりとりのくだりが載っていて、きちんとした感性の持ち主の方だなと思って池田香代子さんの講演会を聞きに行きました。

この池田香代子さんの講演でとても大きなことを4つ知りました。

こちらの記事「中村哲さんの本・マンガを読み動画を見てみよう」で紹介しました。

池田香代子さんの講演で知ったこと
1 ヴィクトール・エミール・フランクル。『夜と霧』
2 憲法とは国家権力を制限して国民(個人)の人権を守るための道具であること。
3 難民として保護を求めて来日した人が不当な扱いを受けていること。
(入国管理局・外国人収容所での人権侵害問題)
4 中村哲さんという医師がアフガニスタンで現地の人のために医療と井戸水のために活動していること。

司法書士の方が中心になって入国管理局・外国人収容所での人権侵害から外国人を守る活動が行われていると講演の中で話されていました。

もう15年以上も前に池田香代子さんから入国管理局・外国人収容所で重大な人権侵害が行われているという話を聞いてなんとなく知ってはいて気にはなっていました。

PARC(特定非営利活動法人アジア太平洋資料センター)から発売されています。
PARCからのmailでDVD『外国人収容所の闇ークルドの人々は今ー』(PARC)販売(税抜2,000円。)について知り買ってみてDVDの内容に驚きました。

DVD『外国人収容所の闇ークルドの人々は今ー』(PARC) 2020年3月上旬発売開始

PARC(特定非営利活動法人アジア太平洋資料センター)からmailでDVD『外国人収容所の闇ークルドの人々は今ー』が発売されることをしりました。

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〈あらすじ〉
トルコでの迫害を逃れて、日本にやってきた少数民族クルドの人々。
彼らは難民として認められることを日本政府に求めている。
ところが、彼らを待ち受けていたのは、出入国在留管理庁(入管)
の管理する収容施設への収容だった。
全国の外国人収容所には、現在も1000人を超える外国人が、
オーバーステイや難民不認定を理由に収容されている。
刑期がある刑務所と異なり、収容者は、いつ出られるのか、
いつ強制送還されるのかも分からない、不安な日々を送る。
自由とプライバシーを奪われ、十分な医療も受けられない。
長期収容が常態化するなか、収容中の自殺・自殺未遂や
死亡事故も相次いでいる。
クルドの人々の証言から、外国人労働力受け入れ拡大の裏で
繰り広げられている、外国人収容所での人権侵害の実態を
あらわにし、日本の移民・難民政策のあり方を問う。
〈作品情報〉
『外国人収容所の闇―クルドの人々は今』
制作・撮影・編集:山村淳平(医師)
協力:クルドを知る会/外国人収容所を改善する会
販売:アジア太平洋資料センター(PARC)
DVD/16:9/2020年/日本語・英語/カラー/39分
定価:2,000円+税(図書館価格10,000円+税)

PARCという名前をご存知ない方もいらっしゃると思います。

私自身は「社会にモノいう初めの一歩 活動家一丁あがり!」という講座を2009年にPARCで開催していて湯浅誠さんらが講師をしていたことがきっかけにPARCを知ったのではないかなと思います。仕事の都合で時間が合わず参加できませんでしたが。

PARCでは50本以上のDVD作品を販売しています。PARC「オーディオ・ビジュアル」

アジア太平洋資料センター(PARC)は、アジアの市民団体や研究者とのネットワークを活かして、エビやバナナ、水やスマホ、バイオ燃料など私たちの身近な題材を切り口に、50本以上の作品を制作してきました。これらの作品は、全国の高校、大学、開発教育の現場での環境・開発・国際理解教育の教材として活用されています。

PARC「オーディオ・ビジュアル」から購入できるDVDの最新作が今回紹介しています『外国人収容所の闇ークルドの人々は今ー』です。

池田香代子さんそして伊藤真さん(伊藤塾塾長・弁護士)から国家権力を制限し1人ひとりの個人の人権を保障する立憲主義の憲法である日本国憲法を学んできていて、外国人が入国管理局・外国人収容所で重大な人権侵害が行われていることにショックでした。

ここまでひどい人権侵害が今の日本社会で国家権力によって行われているとは想像できませんでした。

ハンセン病隔離施設が強制収容所であったことは知っていましたが、らい予防法による患者・元患者の被害が最近まで続いていたことを訴訟で知ったときもショックでしたが、私が知らないだけで外国人収容所が強制収容所であることにショックを受けました。

DVDの中で、アメリカでの日系人収容所、ナチスドイツでの強制収容所、日本での外国人収容所の3つが犯罪に基づかない国籍・民族による強制収容所というテロップに驚きました。

アメリカでの日系人収容所、ナチスドイツでの強制収容所を良しとする人は極端な差別主義者を除いてはいません。
しかし、この2つと並んで日本には今まさに強制収容所(外国人収容所)があるのです。

DVDで、日本人に対してはとてもできないだろう人権侵害がまかり通っている現実を見ることになります。

私たち(日本人と言っていいでしょう)と同じ1人の人間に対して、これはいくらなんでもできないだろうという人権侵害です。
「私たち日本人」と言っても路上生活者が大型台風で危険なときに避難所に入ることが拒否されたり、「見えない」人に対する人権侵害が行われているということが事実なのでしょう。

クルド人という言葉自体は知っていますが、世界のどこの場所に暮らしている人なのかも私は知りませんでした。

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DVDには紙の【解説資料集】がついていて、クルド人の状況や世界の難民について統計データ合わせて解説がありますので難民問題についてはじめて知る方にもわかりやすくなっています。

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日本でのトルコ(クルド)難民申請者数は2018年までに累計7,242人にのぼりますが、難民として認定された人は1人もいないとのことです。

外国人の人権は日本国憲法で保障されている

日本国憲法の条文には「国民は」と書かれてことについては日本国籍を持つ人だけに適用されるというものではありません。「何人も」と書かれていても「外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。」(22条2項)とあっても国籍離脱の自由は日本国籍を離脱する自由は日本国籍を有する人だけに保障されている人権です。

権利の性質から日本国籍を有する人だけに保障されている人権以外は日本にいる外国人にも適用されるべきものです。

選挙権などの人権が数日間観光旅行に日本にきているだけの外国人に適用されないなど外国人でも生活の実態に応じて保障されない人権があるとしても日本国籍の有無に関わらず日本国憲法で保障された人権はすべての人に適用されるべきことです。

そもそも人権とは国家や憲法が成立するより前に発生している人間に固有の権利である自然権の思想からはじまっています。
国家や憲法が生まれる前からあった考え方であるのが人権なのですから、人権に国籍は関係ないのです。
人権の性質上日本国籍を有さない外国人には適用されない人権が例外的に認められると考えるべきものなのです。

日本国憲法は立憲主義の流れの中で生まれた憲法です。

立憲主義の憲法とは国家権力を制限し(国籍の有無という意味でなく)1人ひとりの国民(People)の人権を保障するための道具としての法です。

私たちは義務教育の中で立憲主義の憲法について学んできていません。

私自身も池田香代子さんそして伊藤真さんからはじめて日本国憲法・立憲主義を知りました。

憲法ってそもそも何なのか、日本国憲法が一番大切にしているのもの、何のために憲法があるのかという話しを中心に、はじめて学ぶ方にも分かりやすく憲法を解説します。

伊藤塾塾長 弁護士 伊藤真さんによるわかりやすい憲法の話

この記事の外国人収容所の内容とは関係ありませんが、無料でYou Tubeで学べる「はじめての憲法」を見て学んでみましょう!

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格