頑張り過ぎたらダラダラしてみたらどうでしょう?

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ゲド戦記第1巻『影との戦い』を久しぶりに読み返してみました。
この本のテーマは光と影(闇)です。
本のネタバレになるので、この本の光と影の問題について直接は書けませんが。
別の問題にずらしてみると、頑張り過ぎたら少しダラダラしたらいいのではないでしょうか?

ゲド戦記1影との戦い

『影との戦い―ゲド戦記〈1〉』 (アーシュラ・K.ル=グウィン)

4連休で家中を大片付していらない物をたくさん捨てて、本棚の本も100冊近く捨てました。

ずいぶんと本棚が空いたので、押入れにしまっておいた本を全部出してほとんどは捨てて、読み返したい本は本棚に入れました。

『モモ』『はてしない物語』(ミヒャエル・エンデ)
大草原の小さな家シリーズ(ローラ.インガルス・ワイルダー)
そして、ゲド戦記シリーズ(アーシュラ・K.ル=グウィン)、など。

そして、ゲド戦記第1巻『影との戦い』を久しぶりに読み返してみました。

仕事に役立たない本を読むのに長い時間を使うのはなかなかもったいなく感じてしまうのですが、仕事と関係ない本を楽しく集中して読むと気分の切り替えになって良かったです。

さて、主人公のゲドですが、魔法使いとしての大きな才能を持った少年(〜青年)で、勉強(修行)に励んでいました。

しかし、優れた魔法使いからも才能を認められて自己効力感が高くおごり高ぶる気持ちも大きくなっていました。

そんななかで自尊心をくすぐられたり虚栄心を傷つけられると、自分の能力を見せつけずにいられない衝動にかられる面がありました。

自分の特別な能力が高まればたかまるほど、能力を使って楽しみたい、力を見せびらかしたいという気持ちが大きくなり、虚栄心から世界の均衡を壊しこの世を破壊しかねない闇(影)を呼び出してしまいます。

自分が呼び出してしまった影との戦いがゲド戦記の第1巻の話です。

第1巻の最後で、ゲドが闇(影)に対してどう対決するかがとても意味深いものです。

どういう対決の仕方をするのかは、本を読んでいただくとして。

Amazon  ゲド戦記(6点6冊セット) (岩波少年文庫)

アニメ版のゲド戦記も独特の主張が素晴らしいものではありますが、原作とは全く別物のお話です。

原作本をオススメします。

まずは第1巻『影との戦い―ゲド戦記〈1〉』 (岩波少年文庫)をどうぞ。

Amazon  影との戦い ゲド戦記 (岩波少年文庫)

光と影(闇)

栄光を求める心。能力を高め知識を身につけ楽しむ。
それは、光を求める(頑張る・努力する)人が当たり前に求めることかもしれません。

ゲド戦記第1巻でわかるのは、光を強く求める心は、同時に闇も大きくするものです。

光と影(闇)。ユングをはじめ西洋の人間観でよく出てくる問題です。

「正義」という概念が強くなると出てくる問題なのかもしれません。
(西洋とばかり言えず日本も他人事のように「正義」について語れませんけれど。)

理想の自分。理想に向けて前向きに進む自分。プラス思考。
人生において大事な部分かもしれませんが、光の部分だけに意識を向けてしまうのも問題かもしれません。

光を求めることで闇(影)が生まれるのだとすると、闇(影)を大きくしないためにはどうすればよいか?ということが大事な問題になります。

そもそも光を求めない、つまり、努力しない・理想を追求しないという選択肢も必要かもしれませんが。

頑張り過ぎたらダラダラする。光と影。影(闇)の部分を少し許容する。

ゲド戦記第1巻の影との戦いの話について書きましたが、ゲドは決してダラダラして影(闇)との関係を解決したわけではありません(^^)。

ゲドとは関係ない話になりますが、光を求めすぎているならどうしたらいいのか?についてです。

光があるから影もできる。光が強くなれば闇も深まる。

現実の自分に満足しないで、理想の自分をめざして努力する。

たとえば、自分が一生懸命がんばって仕事をしてしまうと、ダラダラして働かない人を見ると腹が立ったりイライラしてしまったりしませんか?

「他人にやさしく自分に厳しく」はスローガンとしては聞こえが良いですが、現実的には難しいようです。

人は自分の価値観に基づいて自分を評価しますし、他人についても評価してしまうからです。

「やればできるかならずできる!」がモットーの人であれば、やればできるんだから頑張ろう!と努力するでしょう。

しかし、やればできるのにあの人はやらないからイライラする!と考えてしまうのは認知として当たり前のことのようなのです。あなたの心に闇(影)が生まれてしまいます。

だとすれば、自分自身も頑張らないか、そうでなければ、頑張って努力することもあるけれど他の部分では頑張らないでダラダラする、だらしなくする・・・ことが必要かなと思います。

・仕事ではバリバリ頑張ってしまう人は、休日は電話はつながらないようにする、mail・LINEは見ない。

・面倒見の良い人は、夜と土日は連絡不通にして家でゴロゴロする。

頑張り過ぎていたら、意識してダラダラしてみてはいかがでしょうか?

カフェ ド クリエ馬車道店

【編集後記】

rightは日本語で権利ですが、rightには正義の意味もあります。

権利を主張することは正義でもありますので、権利(right=正義)を主張して実現する・光を大きくするお手伝いをする私(社会保険労務士)も影(闇)を大きくしないように、夜や休日はしっかりと休みをとってダラダラする・だらしなくする部分を意識して作っていきます。

新型コロナウイルス感染症対策で自宅で仕事をするようになって、時間がとれると思ってAmazonで買った『剣客商売』(池波正太郎)シリーズ全巻もまだ読んでいませんので、読んでみよかなと。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格