障害年金。受診状況等証明書(初診日証明書)はできれば早めにもらっておきたい。

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初診日とは、障害年金を請求する障害の原因となる傷病(ケガや病気)について初めて医師の診療を受けた日のことです。
障害年金を請求するために、初診日がいつなのか?を特定することが大切です。

障害年金請求の相談でお話を伺っていると、とても残念な場合があります。
障害年金を請求する本人は初診日がわかっていて、その初診日の前日において年金保険料の納付要件を満たしているのに、病院が廃院してなくなってしまっている、病院に行かなくなって5年を超えてしまってカルテが廃棄されてしまっている(5年を超えても廃棄されているとは限りませんのでご注意ください)、という方にお会いします。
第三者証明という方法もありますが、初診日を証明できる第三者もおらず、参考となる資料も残っていないので、初診日の証明ができずに請求した障害年金を受け取れなかったという方にお会いすることがあります。
そうなる前にできたら良かったということがいくつかありますが、その1つが病院が廃院する前に、最後に病院に行ってから5年を超えてカルテが廃棄されてしまう前に、初診の医師に受診状況等証明書(初診日証明書)を記入してもらっておくという方法もあります。

障害年金は3つの要件を満たすと受けとることができます。

(1)初診日
(2)障害の程度
(3)保険料納付

障害年金を受け取るための3要件についてはこちらの記事で紹介しています「会社を辞めようと思っているなら、具合の悪いところは我慢していないで、会社を辞める前に医者に診てもらっておくこと」

障害年金を請求するために、初診日を特定することが重要

障害年金を請求するために、初診日を特定することがなぜ重要なのか。

障害年金を受け取るための要件は3つです。

(1)初診日
(2)障害の程度
(3)保険料納付

保険料を一定の条件で支払っていたか免除申請していたか、保険料の納付要件を満たさないと障害年金を受け取れません。

保険料の納付状況は初診日の前日で確認します。将来障害年金を受けるほどの障害となるとわかるような病気やケガをして病院へ行ったあとから、今まで払っていなかった保険料をあわてて払って年金を受け取ろうというようなことは認められないからです。
初診日がわからないと、初診日の前日での保険料納付要件が確認できません。

障害年金を受けることができる程度の障害の状態にあるか確認する障害認定日は、初診日から1年6ヶ月が経過した日です。(例外として1年6ヶ月を経過するよりも前に障害認定日となるケースもあります。)
初診日がわからないと障害認定日が決まりません。

初診日に厚生年金保険の被保険者でしたら障害厚生年金(厚生年金)と障害基礎年金(国民年金)を受け取ることができますし、初診日に国民年金の被保険者の場合は障害基礎年金のみ受け取ります。

また、障害の程度が1級2級の場合は障害基礎年金を受け取ることができますが、3級の程度の障害の場合は初診日に厚生年金保険の被保険者でしたら3級の障害厚生年金を受け取りますが、初診日に国民年金の被保険者だった場合は障害年金を受け取ることができません。

初診日に厚生年金か国民年金のどちらの被保険者だったかによって、受け取れる障害年金の金額が異なりますし、そもそも障害年金を受け取れるかどうか自体が変わる場合もあります。

障害年金を受け取るためには(1)初診日(2)障害の程度(3)保険料納付の3つの要件が必要ですが、初診日がいつなのか特定することが3つの要件すべてに関わってきますので、大変重要です。

受診状況等証明書(初診日証明書)を初診の医者に書いてもらっておくのも安心

初診日の証明ができないと障害年金を受けられません。
初診日の証明は受診状況等証明書という書類に医師に記入してもらいます。
「障害年金請求で大切な“初診日”。初診日はだれが証明するの⁉️」

初診の病院が廃院してしまった、初診の病院での最後の受診から5年を越えてカルテが廃棄される場合があります。病院のカルテの保存義務は5年間です。

初診の病院に通院している間に、あるいは別の病院に転院するときに、受診状況等証明書(初診日証明書)を初診の医師に記入してもらっておければ安心です。

そして、受診状況等証明書を無くさないように保管しておけば、初診から長期間経過してから症状が悪化して障害の状態になってしまった場合でも安心です。

初診の病院が廃院してしまったとしてもカルテの保存期間を超えて廃棄されてしまったとしても、あらかじめ記入してもらった受診状況等証明書さえ持っていれば初診日が証明できていますので。

初めて医師に診断してもらったときには、期間が経過してから障害年金を受けられる障害の状態になるとは考えられないケースも多いと思いますが、この書類を書いておいてもらって
無くさないように保管しておければ安心ではありますので、覚えておいていただければと思います。

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新宿東口の夜

【編集後記】

今日は暖かい1日でした。新宿の夜は年末らしい雰囲気が出ています。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格