路上生活者の人が困っているのを見た。私はどうしたらいいの⁉️

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大雪前夜 名前も知らない女性に

男性(65)は、公園のコンクリートの地面に座り込んだ。持ち物は着替えを入れたバッグ二つ。数日前に見知らぬカップルからもらった毛布を肩にかけ、目を閉じた。

1月21日、東京都杉並区。日が暮れ、だんだんと気温が下がっていく。「この先どうなるんだろう」。寒さと心細さで、眠れなかった。

日雇いの仕事をしていたが、年とともに見つけにくくなった。家賃を払えなくなり、ワンルームマンションを追い出されたのは5日前。次第に、思うように足が動かなくなった。

「雪が降る、と天気予報で言っていました」

突然、声が聞こえた。ジャンパーを着た小柄な女性が立っていた。30代か、40代。

女性は、真剣なまなざしで続けた。

「危ないから、病院に行きますか。それとも施設を紹介しましょうか」

男性はびっくりしながら、「施設でお願いします」と答えた。「ちょっと待ってて」。女性はそう言うと、いったん立ち去った。

10分後。3枚の紙を手にして戻ってきた。そこには、ホームレスの支援団体のホームページが印刷されていた。

「これ、タクシー代に」。女性は5千円を差し出し、まもなく姿を消した。

近くでタクシーを拾って、男性は施設に向かった。料金は1770円。途中で弁当も買った。丸一日、何も口にしていない。焼いたサケが、うまかった。

翌日、施設のスタッフが区役所の窓口に連れて行ってくれた。その日の夜、「一時的に」と案内されたネットカフェでシャワーを浴び、コーヒーを飲んだ。外は大雪。都心で20センチ以上積もった。

「下手したら、凍死していた……」

あの女性は、誰なのだろう。施設の人も思い当たらないという。いま宿泊所で暮らしながら、顔を思い出してみる。手渡された紙は、折りたたんでバッグにしまってある。(青木美希)

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全文引用 つくろい東京ファンド「2018年2月18日付け朝日新聞朝刊「窓」欄に、つくろい東京ファンドが支援した男性の経験に基づく記事が掲載されました。」

新宿で路上生活者の方が困っているのをみて、何もしないのはなぜ?➡どうしたら良いかわからないから

あの大雪前日の寒い日の話なのですね。

私は毎日新宿を歩きます。何人かの路上生活者の方をみかけます。
冷たい歩道の上にダンボールの上から薄い布を敷いて薄いものをかけて座ったり横になっています。

窓をしめてカーテンをしめた部屋の中で布団に入っていても寒いのですから、地面の冷たさ外気の冷たさでとても寒いことは、わかります。

この記事にある同じ日も私は新宿を歩きました。
新宿でいつも路上生活者の方がいる場所にはいなかったように思います。
でも、いつも通るその場所にいたとしても私は声をかけなかったのではないかと思います。

15年位前だったかと思いますが、同じ新宿。
駅の階段の踊り場に、路上生活者の方2人がいました。

1人の方(男性)が横になっていて具合が悪いように見えました。
横でもう1人の方(女性)が座って泣いていたことがありました。

具合が悪いのでしたら救急車を呼びましょうと声をかけましたが、こちらを見ても泣くだけで、横になっている人を自分の方に引き寄せて泣き続けていました。

何度か、病院に行きませんか?と声をかけましたが、泣いているだけでした。
今よりも若かったので、いい格好しいのようで恥ずかしかったような気もします。

あとから思えば、言葉が通じていないか知的障害など何らかの事情で伝わっていなかったのかもしれません。
私が近づいて話しかけたときに、横になっている人を自分の方へと引き寄せたのも私から守ろうとしていたのかもしれません。

急ぎの仕事(今思えば当時そう思っていただけで大したことではありません)で、立ち去りました。

救急車で病院に行って初診料を代わりに支払うのは良いとしてその後の治療費をこの方たちが払えずかえって困ってしまわないかと心配した無知もありました。

私(第3者)が診療費を代わりに支払う必要はありませんし、お金がない人が救急車を呼んで治療を受けても大丈夫です。

お金が無くても保険証が無くても病院受診する方法!

無料低額診療事業・無料低額介護老人保健施設利用事業(東京都福祉保健局)

声をかける、“施設”(ボランティア団体)へとつなげる、これだけでもいい

私が、声をかけなかったり、声をかけてもそれ以上にできなかったのは、どうしたら良いのか、わからなかったということが大きいです。(もう1つには知らない方にあまり話しかけないタイプというのもありますが)

記事「大雪前夜 名前も知らない女性に」の女性の行動は、生活に困っている人が目の前にいるときに、どうしたら良いのか、ひとつの答えを教えてくれたのではないか、と思います。

もちろん、ケースバイケースです。

自分という人間、目の前にいるその人という人間。同じケースはありません。

路上生活者だから悪い人とは言えないのが当たり前なように、
路上生活者だから良い人とも言えないのも当たり前です。

場所や時間や相手の方によって、自分が声をかけた方が良いケースや自分で声をかけることはやめた方が良いケースもあるでしょう。

たとえば、あなたが若い女性の場合などは、
相手が男性だったら、場所や時間や相手の方など判断が必要でしょう。
相手がだれでも、知らない人にむやみに話しかけない方が良いということもありますから。

都内で路上生活者や生活困窮者の方の支援をしている団体はいくつもあります

たとえば、

もやい(特定非営利活動法人自立生活サポートセンター・もやい)

一般社団法人つくろい東京ファンド 今回の記事は「大雪前夜 名前も知らない女性」が路上生活者を導いた“施設”(シェルター)はこちらでした。

てのはし(特定非営利活動法人 TENOHASI)

私にも、あなたにも、何か出来ることがあります。

自分だけでは出来なくても、自分が、その人を守る・助ける誰かにつなげることは出来る‼

「大雪に住む家もなく…救ってくれた、あの女性はだれ」は、そんなことを教えてくれました。

今日の1日1新

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格