“ハウジングファースト”という言葉をご存知でしょうか。
ホームレス状態にある方の支援をするときに、先ず住まいを提供するという取り組みです。
今日の記事はハウジングファーストという言葉をはじめて聞く方にオススメする動画の紹介です。
ホームレスの問題について関心はあるけれどよくわからないという方だけでなく、ホームレスは自己責任の問題だから自分には関係ないという方もぜひ観ていただければと思う動画です。約14分のTEDトークと約3分のYouTubeの短い動画を紹介します。
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ハウジングファーストは、慢性的なホームレス状態にある路上生活者の方に、先ず安心できる住まい(アパートの部屋)を提供する取り組み。
ハウジングファーストは、慢性的なホームレス状態にある路上生活者の方に、先ず安心できる住まい(アパートの部屋)を提供する取り組みです。そして安心できる住まいを提供して生活や健康など必要な支援を強制でなく提供していく取り組みです。
ホームレス状態にある方への支援は、これまではステップアップ方式で行われることが多いようです。
路上生活をしている方をたとえば2段ベッドがたくさん置いてある大人数の部屋に入れて、社会生活ができると見込まれた方が個人で住めるアパートの部屋へと移すというような支援です。
しかし、大人数の方の中にはいろんな方がいるわけですから、大きな部屋にまとめて入れられて生活するとなると人間関係などトラブルが起きることは不思議ではない話です。
こんな生活するくらいなら路上生活に戻った方が良いと判断する方は支援としての福祉から離れてしまうことになります。
慢性的なホームレス状態にある路上生活者の方に先ず安心できる住まい(アパートの部屋)を提供するハウジングファーストの支援は、従来型の支援とは順序を逆にした支援です。
“甘ったれるな、自分で働かずに世話してもらうのだから文句言うな。嫌なら働いて生活しろ。”
そう考えている方も、自分の考え方を維持するのも、新しい知識を得て考え方を変えるのも、あなたの自由なのですから、ハウジングファーストという考えと取り組みを知ることで損することは何もありません。
約3分と約14分で見られる動画です。短い時間ですから試しに見てみましょう。
ホームレス状態の方・路上生活者の方についてどう考えている方でも、ハウジングファーストを知ることはオススメ
暖かい日もありますが、みぞれ混じりの雨が降りましたし、これから東京は一番寒い季節になります。
私は冷え性で家の中で厚手の毛布に羽毛布団をかぶって寝ても寒く感じます。
家の外で冷えた路上で暮らしている路上生活者の方の寒さは想像するだけでたまらないです。
東京の新宿でもダンボールを敷いて薄い布や毛布をかぶって横になっているホームレス状態の方が少なからずいます。
ホームレス・路上生活者といった言葉を聞くと、人によって反応が大きくわかれます。
(1)ホームレス状態の方・路上生活者の方の生活を少しでも良くしたいという方。
もう少しでも人間らしい安心した生活ができるように、なんとかならないかな、なんとかしたいな、というような反応の方。
(2)ホームレス状態である・路上生活をしているのは自己責任なので自分には関係がないと思っている方。
働きもせずにだらしないやつらだな、汚らしくて見たくもないな、というような反応の方。
(3)ホームレス状態の方・路上生活者の方のことは気にならない・関心がない方という方。
合わせると3つのパターンでしょうか。
(1)の方は、具体的にはどうしたら良いのか方向性を知りたいでしょう。
ハウジングファーストという考え方と取り組みを知ることはカンパなどの支援から行政への働きかけなど、自分にできることを見つけるためのきっかけになるかもしれません。
(2)の方は、「自己責任」と言い切れるのか。仮に自己責任だとしても、同じ生きる人間としてどう見るのか、考えてみてはいかがでしょう。
また私は好きなアプローチではありませんが、ハウジングファーストは対策としてのコストが従来型に比べてとても費用対効果が高いことが動画を見るとわかります。
(3)の方は、街を歩いていて見てはいてもすれ違うだけでよく知らないということかもしれません。街では通り過ぎるだけで誰のことも知らないのですから、不思議ではありません。
私も毎日新宿でホームレス状態の方を見かけますが、どんな方なのかどうしたいのかもサッパリわかりません。それはすれ違う他の方と同様で当たり前のことです。
ホームレス状態の方が、今を生きているあんたと同じ1人の人間(個人)であることを動画を見ることで実感することができます。
“ハウジングファースト”という言葉をはじめて聞く方にもオススメする3分と14分の短い動画
TEDトーク「ハウジングファーストというホームレスへの取り組み」ロイド・ペンドルトンさん(約14分)
TEDトークを動画ダウンロードしてiPhoneで見る方法を紹介した記事はこちらです。
「5分〜いつでもどこでも学べる方法。日本語字幕TEDトーク」
個人主義者で勤勉(HardWork)を疑うことなく生きてきたロイド・ペンドルトンさんはハウジングファーストという考え方を否定的に考えていました。しかし、ハウジングファーストという考え・取り組みを知ります。
ハウジングファーストを実践したユタ州でホームレス人口を10年間で91%削減することに成功したことが話されます。
話の中で出てくるアメリカのホームレス問題は日本とは異なる問題がありますが、自分とは関係ない人間として「ホームレス」を見ることができるのか動画の最後の部分の話は静かに呼びかけてきます。
ロイド・ペンドルトンさんのトークはアメリカのスピーチ(トーク)には珍しい静かな語りです。
YouTube「[NEWS] ホームレスというレッテルを外す。東京から始まる新しい自立支援とは」稲葉剛さん(約3分)
ホームレスっていう名前の人がいるわけじゃないんです。
ホームレスっていう特殊な人たちがいるっていう
そういう属性をもった人たちがいるって思われがちなんですけど
ホームレスっていう状態にすぎない
ホームレス状態になった1人ひとりの人がいるだけであって
ホームレスっていう名前の人がいるわけじゃないんです。
まずは仕事をしてください
病気がある人は治療をしてください
従来型の支援ではアパートに入居するまでに
ステップアップ方式が採用されていて
金銭や食事の管理など生活能力の審査が相部屋の宿泊施設にて何段階かに分けて行われる
中には20人部屋みたいな大きい部屋に二段ベッド並べて押し込んでいる所もあって
非常に衛生環境が悪かったり人間関係のトラブルが耐えないことがあって
それに耐えかねて路上生活に戻ってしまった経験をもつ人が多くいらっしゃる
そういう形で人をふるい落とすシステムではなくて
最初から安定した住まいを提供して
ただアパートに入れっぱなしにするのではなくて
ソーシャルワーカーとか医療関係者が家庭訪問して支えていく
その上で働ける人は・・・
従来型支援とその問題点とハウジングファーストによる支援について紹介されています。
穏やかで静かな語り口の稲葉さんは路上生活者の支援を学生の頃から長く続けている方です。
約3分でハウジングファーストの考え方と実践を知ることができるオススメのYouTubeの動画です。
他にもハウジングファーストの短い時間の動画を紹介してある稲葉剛さんの公式ページはこちらです。
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