日本年金機構の業務委託契約について大問題となっている年金ですが、それとは関係なく遺族年金の話です。
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Q.国民年金は25年間保険料を払わない間に死亡したら、遺族に年金は支払われないの⁉
毎月国民年金の保険料を支払っている方から質問がありました。
毎月きちんと保険料を支払っていても25年以上保険料を払わない間に死亡した場合は遺族に年金は支払われないと聞いてこんな保険はおかしいのではないかとのことでした。
老齢年金は保険料納付済期間・免除期間が合わせて25年ないと受け取れなかったのが10年あれば受け取れるようになったけど、遺族年金は保険料納付済期間・免除期間が合わせて25年ないと受け取れないという話を聞いたということでした。
どうやら、遺族年金を受け取れるのは、どのような方が死亡した場合なのか、という話が混乱して伝わっていたことによる質問だったようでした。
30代の女性の方でしたが、20歳から毎月年金保険料を払ってきたのに、自分に万一のことがあった場合に、お連れ合い(夫)と子ども(この方は子1人)が遺族年金を受け取れないのはおかしい制度だということで、何のために今保険料を払っているのか納得できないというご様子でした。
結論から言うと、この方が死亡した場合は、お連れ合い(夫)が年間約100万円の遺族基礎年金を受け取ることができます。
(1,003,600=779,300+子の加算224,300)
遺族基礎年金は、受給要件を満たした亡くなられた方によって生計を維持※されていた「子※のある配偶者」または「子※」が受け取ることができます。
※生計維持
「生計を維持されている」とは、原則として次の要件を満たす場合をいいます。
同居していること
(別居していても、仕送りしている、健康保険の扶養親族である等の事項があれば認められます。)。
前年の収入が850万円未満であること。または所得が655万5千円未満であること。
- ※子とは
- 18歳になった年度の3月31日までの間にある子。
(受給要件を満たした国民年金または厚生年金保険の被保険者(被保険者であった方)が死亡した当時、胎児であった子も出生以降に対象となります。) - 20歳未満で、障害等級1級または2級の障害状態にある子。
- 婚姻していないこと。
遺族基礎年金の支給要件(どんな方が亡くなった場合に?誰が受け取れるの?)
(支給要件)
第三十七条
遺族基礎年金は、
被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、
その者の配偶者又は子に支給する。ただし、第一号又は第二号に該当する場合にあつては、
死亡した者につき、死亡日の前日において、
死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、
かつ、
当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない。
一 被保険者が、死亡したとき。
二 被保険者であつた者であつて、日本国内に住所を有し、かつ、六十歳以上六十五歳未満であるものが、死亡したとき。
三 老齢基礎年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が二十五年以上である者に限る。)が、死亡したとき。
四 保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が二十五年以上である者が、死亡したとき。
(遺族の範囲)
第三十七条の二 遺族基礎年金を受けることができる配偶者又は子は、被保険者又は被保険者であつた者の配偶者又は子(以下単に「配偶者」又は「子」という。)であつて、被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時その者によつて生計を維持し、かつ、次に掲げる要件に該当したものとする。
一 配偶者については、被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時その者によつて生計を維持し、かつ、次号に掲げる要件に該当する子と生計を同じくすること。
二 子については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるか又は二十歳未満であつて障害等級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。
A.国民年金の被保険者の方が亡くなった場合は25年間保険料を払っていなくても、保険料の滞納が1/3以上なければOK
死亡した方の保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が加入期間の3分の2以上あること。
ただし平成38年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、
死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。
被保険者の方がなくなった場合に問われる保険料納付要件については障害年金と同じですね。
障害年金は、いざというときの自分自身のために
遺族年金は、いざというときに残された子とお連れ合い(夫・妻)のために
国民年金の毎月の保険料は滞納せずに支払いましょう!
納付特例となる20歳以上の学生の方も含めて、
国民年金の保険料免除申請できる方は滞納するのではなく免除申請して保険料の免除をお忘れなく!
今日の1日1新:新宿ミロードのビーガンカフェMr.FARMERで妻と晩ご飯
結婚式を0とすると26回目の結婚記念日。
人生のちょうど半分を妻と生きてきたのだと思うとちょっと感慨深いです。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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