仕事でケガをして病院で治療を受け仕事を休んで入院したり療養のために家で休むことがあります。
この場合は労災保険からの給付で療養補償給付を受けるので治療費は本人負担は0円です。
療養のために仕事を休んで家で休養している間は欠勤で給料を受け取れない場合は、3日目までは会社から休業補償を受け取り4日目からは労災保険から休業補償給付を受けます。
仕事でケガをしたのに、健康保険で治療を受けて傷病手当金を受け取っていた場合は、労災保険へと切り替えます。
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仕事でのケガは労災保険を使う。健康保険を使ってはダメ
仕事でケガをして病院に行って保険証(健康保険被保険者証)を出して治療を受けた。
そもそも労災保険という制度自体を知らなかったという方も少なくありません。
労災保険から給付を受けられることを知らなかったなど、仕事によるケガで健康保険からの給付を受けていた(保険証をだして病院で治療を受けた、傷病手当金を受け取っていた)場合は、労災保険からの給付に切り替える必要があります。
仕事でケガをして病院で治療を受けたり、仕事を休んで給料を受取れない場合に保険から受け取れる給付は、健康保険よりも労災保険の方が手厚くなっています。
そして、そもそも仕事のケガで健康保険を使うことは本当はできないことになっています。
健康保険法1条(目的)
この法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害(労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第七条第一項第一号に規定する業務災害をいう。)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
仕事のケガで健康保険を使ったら、労災保険に切り替えます
しかし、労災保険から給付を受けられるということ自体を知らず、ケガをして病院に行ったら保険証(健康保険被保険者証)を出すものだと思っていたという方も少なくありません。
健康保険で治療を受けると治療費の3割を病院で支払って、残り7割は健康保険から病院に払われます。
治療費の7割を健康保険が負担して、自分は3割だけ負担すればいいというのは本当に助かる制度です。
しかし、仕事でのケガ=労働災害であれば、治療費は全額労災保険から病院に払われます。
あなたは支払い0(ゼロ)円で病院で治療を受けられるのです。
労災保険という制度を知ってさえいれば、最初から仕事でケガをしたことを病院に伝えて本人負担0円で治療を受けるのですが、知らずに保険証を出して健康保険をつかって治療を受けた場合には、あとから労災保険に切り替えます。
労災保険と健康保険。労災保険の方が給付が手厚い
保険給付 | 労働災害以外の病気・ケガ | 労働災害による病気・ケガ |
---|---|---|
社会保険の種類 | 健康保険 | 労災保険 |
医療 | 療養の給付 (一部負担金)本人支払は医療費の30% |
療養補償給付 本人支払0円 |
休業補償額 | 傷病手当金 標準報酬月額 / 30(=1日あたり) X 2/3( 約67% ) | 休業補償給付 給付基礎日額(平均賃金) X 80% |
休業補償期間 | 上限1年6ヶ月 | 治癒(症状固定)するまで(1年6ヶ月経過して治癒せず1〜3級程度の障害なら傷病補償年金) |
治癒(症状固定)後の補償 | 障害補償年金(1級〜7級)。障害補償一時金(8級〜14級) |
【編集後記】
おととい昨日と寒く、今日は昼間は少し暑かったです。
梅雨ですから当たり前といえば当たり前のことですが、気温の変化で体調を崩さないように気をつけたいですね。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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