新型コロナウイルスの影響で解雇されて新しい仕事を探さなければならない。
働いている会社を辞めて別の仕事をしたいけれど、技術や資格がなくて不安。
失業手当を受けながら無料の公共職業訓練を受けて、技術や資格を手にして就職する方法があります。
失業手当とは、雇用保険の失業等給付の基本手当のことです。
Contents
失業中なら【公共職業訓練】。失業手当を受けながら無料で勉強して技術・資格を取得できる
失業手当を受けている方はハローワークで申し込んで認められる(受講指示がでる)と、無料の職業訓練を受けることができます。
ハローワークで仕事を探して、すぐに希望の条件に合う良い会社が見つかるのが一番良いのですが、
技術や資格がなくて、希望に合う良い条件の会社への就職が決まらないようでしたら、しっかりと学んで技術や資格を取るのも良い方法です。
しかし、新たに専門学校に入学したり資格予備校に通うには大きな出費・お金がかかります。
そして、学校に通っている間の生活費もかかります。
その点、公共職業訓練はとても優れた制度です!
公共職業訓練は無料です。講座によってテキスト代程度を払うものもありますが、それ以外は無料ですから安心です。
その上、公共職業訓練を受けている間も失業手当を受けられます。
公共職業訓練は、受講する講座によって受講終了すると国家資格が取得できるものもあります。
資格が取得できない講座でも、技術を身につけて就職に有利になる実践的な講座もあります。
公共職業訓練は、国(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のポリテクセンター、ポリテクカレッジおよび障害者職業能力開発校)、都道府県(職業能力開発校および障害者職業能力開発校)、民間教育訓練機関(都道府県からの委託を受けて)などが実施しています。
公共職業訓練は、基本的には2〜6ヶ月ですが、1年間や2年間の訓練もあります。
公共職業訓練の申込みはハローワークで行ないます。
公共職業訓練をはじめて知った方は、政府インターネットテレビの動画(20分)を見てみてはいかがでしょう。
徳光・木佐の知りたいニッポン~急がば学べ! 就職やスキルアップに「ハロートレーニング」
【公共職業訓練】受けると、失業手当を有利に受けられる
自己都合退職や懲戒解雇でも3ヶ月間待たされずに失業手当を受けられる
失業手当は、離職票を提出し求職の申し込みをしてから7日間の待機期間(失業している日)を経過した後でなければ受け取ることはできません。
自己都合退職した方・自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された方の場合は、さらに(法律上は1ヶ月〜)3ヶ月待たされることになります。
しかし、公共職業訓練を受けると7日間の待機期間がすぎれば、3ヶ月待たされることなく失業手当を受け始めることができるようになります。
雇用保険法33条1項(離職理由による給付制限)
被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によつて解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によつて退職した場合には、第21条の規定による期間の満了後1箇月以上3箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。
ただし、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける期間及び当該公共職業訓練等を受け終わつた日後の期間については、この限りでない。
【訓練延長給付】公共職業訓練を受けている間は失業手当を延長して受けられる
算定基礎期間が10年未満の方が自己都合退職して受け取れる失業手当は上限90日です。
この所定給付日数が90日の方が180日間の公共職業訓練を受けたとします。
所定給付日数を60日残して受講開始したとしても90日間は失業手当を受けられなくなってしまいます。
せっかく学ぼうと思ってもその間の生活費が足りなくて最後まで受講できなくなってしまってはもったいない話です。
そこで、公共職業訓練を受けている間は失業手当を延長して受けられる訓練延長給付という制度があります。
雇用保険法第24条(訓練延長給付)
受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(その期間が政令で定める期間を超えるものを除く。以下この条、第三十六条第一項及び第二項並びに第四十一条第一項において同じ。)を受ける場合には、当該公共職業訓練等を受ける期間(その者が当該公共職業訓練等を受けるため待期している期間(政令で定める期間に限る。)を含む。)内の失業している日について、所定給付日数(当該受給資格者が第二十条第一項及び第二項の規定による期間内に基本手当の支給を受けた日数が所定給付日数に満たない場合には、その支給を受けた日数。第三十三条第三項を除き、以下この節において同じ。)を超えてその者に基本手当を支給することができる。
【訓練延長給付】失業手当を所定給付日数の2/3を受ける前に公共職業訓練開始しないと受けられない
“失業手当を受けられる期間がもうすぐ終わってしまう(所定給付日数の残りがなくなってしまう)。
公共職業訓練を受けている間は失業手当を受け続けられるから急いで申し込もう。”ということはできません。
公共職業訓練は、失業している方が再就職に必要な技能及び知識を習得することが目的です。
失業手当を受け続けたいから、公共職業訓練を受けておこうということが認められるものではないのです。
公共職業訓練を受けてより良い条件の就職をしよう!という方は、必要な失業手当の所定給付日数の残りがある間に訓練開始ができるように、早めに準備をはじめましょう。
厚生労働省 Q&A | |
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Q. |
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A. |
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【公共職業訓練】どんなことを学べるの?
ハローワークに行くと公共職業訓練のパンフレットがありますので、ハローワークで受け取ります。
ネットからも具体的な公共職業訓練の講座を調べることができます。
ハローワークインターネットサービスから検索します。
ハローワークインターネットサービス から[ハロートレーニングコース情報検索]をクリックする。
コース種別 や エリア(さらに都道府県)、募集期間などを指定して
[検索]をクリックします。
[電気設備管理]コースは6ヶ月間113日で800時間の講義を受けられますが、自己負担額は24,000円だけです。
[グリーンエクステリア]コースも6ヶ月間113日で800時間の講義を受けられますが、自己負担額は30,000円です。
学んで身につけたい内容の講座があれば、とてもお得です。人気講座はなかなかに競争が激しいようです。
【編集後記】
技術や資格を持っていないので転職できる自信がない。だけど、今働いている会社をどうしても辞めたい・・・。
それなら、失業手当を受けながら無料で学べる公共職業訓練を受けて技術や資格を取得するのも1つの手です。
いろんな種類の公共職業訓練がありますが、受講開始時期や会場となる場所はそれぞれ決まっていますので、あらかじめ確認しておくことが大切です。
“この先、今働いている会社で働き続ける自信がないし、転職する自信もない。不安で仕方がない・・・。”
何かと不安になりやすい「内向型」労働者の方は、ハローワークでパンフレットをもらって見る。あるいはハローワークインターネットサービスで調べてみましょう。
内向型の方は調べることは得意だという方が多いでしょう。いざというときのための知識を持っておくことは安心材料になるはずです。
雇用保険から失業手当を受けていなかった方も失業手当の代わりに職業訓練受講手当を受けながら無料で職業訓練を受けられる求職者支援訓練があります。
求職者支援訓練については、こちらの記事で紹介しました。
“求職者支援訓練”。雇用保険に入っていなかった方も受けられる無料の教育訓練があります。その上、1月10万円の給付も受けられる場合もあります。
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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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