月曜〜金曜まで週5日勤務の労働者の方は7月は明日が最終勤務日。
来週月曜の勤務からは8月になります。
職場での熱中症の死傷者の5割が8月に集中しています。
仕事よりも健康と命を優先して8月を乗り切りましょう。
Contents
熱中症による死傷者の5割が8月に集中(7月8月の2ヶ月だけで全体の85%)
職場における熱中症の死傷者は7月と8月の2ヶ月間だけで年間全体の85%が集中しています。
7月と8月の2ヶ月間だけでも熱中症にかからないように働くだけで、8割以上の熱中症による労働災害をなくすことができます。
熱中症による死亡者数(2017~2021年)
職場における熱中症による死傷者 | 人数(2017~2021年) |
---|---|
5月以前 | 97(2.4%) |
6月 | 256(6.3%) |
7月 | 1,466(36.0%) |
8月 | 1,980(48.6%) |
9月 | 245(6.0%) |
10月以降 | 27(0.7%) |
合計 | 4,071(100.0%) |
「令和3年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」(厚生労働省)から作成
とくに7月と8月の2ヶ月のなかでも、8月に職場における熱中症の死傷者が集中しています。
熱中症の死傷者全体の5割(48.6%)が8月の1ヶ月に集中しています。
8月は熱中症による労災での死傷災害をふせぐために最大注意が必要です。
どの産業で働く労働者でも職場での熱中症が発生
職場における熱中症は、建設業、製造業、運送業の3業種だけで死傷者全体の半数を超えています(55.1%)
業種別の職場における熱中症による死傷者 | 人数(2017~2021年) |
---|---|
建設業 | 878(21.6%) |
製造業 | 805(19.8%) |
運送業 | 561(13.8%) |
商業 | 387(9.5%) |
警備業 | 370(9.1%) |
清掃・と畜業 | 266(6.5%) |
農業 | 98(2.4%) |
林業 | 33(0.8%) |
その他 | 673(16.5%) |
合計 | 4,071(100.0%) |
「令和3年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」(厚生労働省)から作成
職場における熱中症は、建設業、製造業、運送業だけで死傷者全体の半数を超えています(55.1%)から、3業種で働く労働者の方は熱中症による死傷災害に特に注意が必要です。
そのいっぽうで、3業種以外のどの産業でも熱中症による死傷災害が発生しています。
どの産業で働いている労働者であっても、職場での熱中症による死傷災害に遭う危険があります。
熱中症による死傷災害は、他人ごとではありません。
熱中症というと、炎天下での作業による発生をイメージしがちです。
しかし、2021年の熱中症による死傷災害の1/4近く(22.6%)が屋内作業で発生しています。
熱中症は屋外での作業だけ発生するものではありません。
屋内作業でも熱中症の発生に注意が必要なことを知っておいてください。
熱中症を自覚したら仕事を中断して、すぐに病院にいく
「ひょっとして熱中症かも。でも、ここで仕事を中断したら会社や同僚に迷惑がかかる」
「ちょっと体調が変だけど、まだ大丈夫だろう」
この考え方は危険です。
熱中症を自覚したらすぐに仕事を中断して、急いで病院に行きましょう。
職場で熱中症になった労働者の方が、自覚症状からすぐに病院に行ったケースでは休業見込期間が比較的短い傾向が見られたとの厚生労働省の報告があります。
自分の健康と命をまもるため、百歩ゆずって仕事のためだとしても、熱中症を自覚したら、すぐに病院に行って診療をうけましょう。
結果として、仕事を休む期間も短くすみます。
「熱中症は労災にならないのでは?」と思っている労働者の方もいますが、仕事が原因で発症した熱中症は労災です。
熱中症は、業務上の病気による労災で3番目に多い災害です。
参考記事
仕事が原因での熱中症は労災ですから、無料で医療をうけることができます。
医師の指示で仕事を休んだ日は3日目までは会社から平均賃金の6割以上をうけとり、4日目からは労災保険から平均賃金の8割の支給をうけます。
参考記事
【労働災害】仕事でケガをしたときに知っておきたい2つの労災申請
【編集後記】
私は外に出かけるときは仕事でも遊びでも熱中症計をリュックにつけて持ち歩いています。
室内にいるときでも、熱中症計を置いてアラートが鳴るようにして熱中症にならないように注意しています。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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