労働相談、障害年金相談。
どちらの相談でもときどき出るのが、「夜眠れなくて困っている」という話です。
起きてるのか眠っているのかわからない、目をつぶっているカメ。
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「眠れない」ことは誰でもあるということは知っておきたい
私はもともと寝付きが良くて寝起きも良いタイプではあります。
それでも眠れない(寝付くまで時間がかかる)日も全くないわけではありません。
「眠れない」と悩んでいる人は少なくありませんが、だれでも寝付きが悪かったりいったん寝ても目がさめてしまうということはあるものです。
「眠れない」ことそのものよりも、「眠れない」ことを思い悩むことによるストレス・心身の疲労が問題となっているのかもしれません。
「眠れない」こと自体は、誰でもあるのだということは知っておきたいところです。
眠れないときはどうしたらいい?
「眠れない」という人でも、全く眠れないという人は多くはないでしょう。
全く眠れない・一睡もできないというのが毎日続いているというのではない。
そういう方がほとんどでしょうか。
「朝まで一睡もできなかった」というときでさえも、本人が気がつかないだけで実際には眠っているということもあります。
- 寝付きが悪くてすぐには眠れない。
- 夜中(早朝)に目がさめてしまう。
「眠れない」というのは「睡眠不足」という場合が多いのが実態かもしれません。
身も蓋もない話ではありますが、身体が本当に睡眠を必要とするときは、どんな状況でも寝てしまうことを知っておきましょう。
- 工場労働者が夜勤明けに工場前で待っている屋台で焼酎を1杯ひっかけてそのまま道路で何人も倒れ込んでいる。
- 戦場で空爆・銃撃音がする中で倒れ込んでいる兵士。
医師が眼球の状態を確認して、どちらも睡眠状態であったという話もあります。
体が必要としている最低限の睡眠はとれている。眠れてはいる。
「眠れない」の認識を変えてみる必要があるのかもしれません。
「眠れないと大変なことになるから眠らなくてはいけない。」
そう思って、寝るための努力をすると眠れません。
眠るとは心身の緊張がとれている状態です。
努力(緊張)しては眠る(緊張をなくす)ことはできないのです。
睡眠不足で死んだ人はいないことを思い出そう。有害なのは不眠症について悩むことであって不眠症そのものではない。
Amazon 道は開ける 文庫版
第28章不眠症で悩まないために(P344〜352)
不眠症についての考え方と対処法について書かれていますので、参考に読んでみるとよいかなと思います。
早く寝付ける方法
- 羊の数を数える。
- 大きな数を1づつ減らして数える。
いろんな方法を聞いたことがあると思います。
最近知った面白い方法が「連想睡眠法(認知シャッフル睡眠法)」
横になったら1つの簡単な英単語を思い浮かべていく、という入眠法です。
たとえば「sleep」という単語を思い浮かべたら、次に「snow」「sky」という単語とその映像を数秒間イメージします。
この方法を使えば、だいたい5分前後でぐっすりと寝つくことができますよ。」
Amazon ラクしてうまくいく生き方 自分を最優先にしながらちゃんと結果を出す100のコツ (きずな出版)
P29
うまく寝付けなかった夜に試してみたら、アッという間に寝てしまいました。
「連想睡眠法(認知シャッフル睡眠法)」。試してみる価値があります。
心身の疲れが睡眠で解消できないなら退職前に病院に行く
「睡眠不足で死んだ人はいないことを思い出そう。有害なのは不眠症について悩むことであって不眠症そのものではない。」
それでも睡眠不足と感じていて、
「疲れがとれずに心身ともに消耗してしまった・・・。」
そんなときには、病院に行きましょう。
睡眠について困っているときは精神科で相談します。
もしも精神科に行くことのハードルが高ければ、心療内科などの看板の病院もあります。
それさえもイヤ。
それでしたら、いつも通っている内科で相談しても大丈夫です。
薬も処方してくれるでしょうし、通院しても状況が改善されなければ専門の病院(精神科)を紹介してもらえます。
- 長時間労働など過労で上手く眠れなくなってしまった(睡眠障害)
- 職場の人間関係でうつになって寝つきが悪く、やっと寝ても夜中(早朝)に目が覚める(早朝覚醒)
「今働いている職場を辞めて体調を回復させたい」
傷病手当金(健康保険)、傷病手当(雇用保険)を上手に利用して、退職して健康回復を目指すのも選択肢の1つです。
注意したいのは、退職前は病院に行かずに、退職して落ち着いてから通院をはじめたいという方です。
退職前に病院に行きましょう!
条件を満たせば健康保険から傷病手当金を最大1年半受け取れます。
退職前に病院に通いはじめていれば(厚生年金の被保険者期間に初診日があれば)保険料の納付要件をみたせば3級の程度の障害の状態でも障害年金(障害厚生年金3級)を受けとることができます。
退職後に初めて病院に通い始めると保険料納付要件をみたしていた場合でも3級の程度の障害では障害年金を受けとることができないのです。
心身の体調が悪くて会社を辞めることを考えている労働者は、退職前に病院に行って診療を受けておくことをおすすめします。
【編集後記】
アジサイの花がきれいに咲いていますが、まだ梅雨入りしていないんだそうですね。
昨年は気象庁がどう言っていたのかわかりませんが梅雨もなく一気に真夏になっていましたので、今年はどうなるのか?
体調をととのえて、楽しんで夏を過ごしていきたいところです。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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