厚生年金・健康保険の保険料はけっして低くはありません。
少しでも安くしたいなら、4〜6月は残業やめましょう。
社会保険料を少しでも減らしたいなら4〜6月に残業はしない
- 「厚生年金・健康保険の保険料の保険料が高い。」
- 「社会保険料を少しでも安くしたい。」
労働者の方から相談をうけているときに、ときどき聞く話です。
厚生年金と健康保険の保険料は会社が半分はらいますが、折半した金額でも保険料はけっして低い金額ではありませんよね。
社会保険料は受けとる給付の額にかかわりますので、保険料を安くすればトクするという単純なものではありません。
それでも少しでも払う社会保険料の額を減らしたいなら、4〜6月には残業しないことです。
もう少しいうと、4月〜6月に受けとる残業代のもとになる残業をしないということです。
たとえば、3月1日〜3月31に働いた給料を4月に受けとるなら3月も残業しないことです。(3月は明日で終わってしまいますが)
まったく残業ゼロとはいかなかった場合でも、極力へらします。
払う社会保険料の額をへらすために、なぜ4月〜6月に受けとる残業代をへらすとよいのでしょうか?
標準報酬月額の定時決定
Q.社会保険料の金額はどのようにきまるのでしょうか。
A.社会保険料の金額=標準報酬月額×社会保険料率
厚生年金と健康保険(+40歳からは介護保険)をあわせて、せまい意味で【社会保険】といいます。
2021年度の東京都の社会保険料率は
社会保険 | 保険料率(合計29.94%) |
---|---|
健康保険 | 9.84% |
介護保険 | 1.80% |
厚生年金 | 18.300% |
14.97%が労働者負担の社会保険料率です。(会社も同じ負担率)
2021年度の都道府県ごとの社会保険料は協会けんぽのWebから確認できます。
この社会保険料率14.97%は何にたいする割合でしょうか?
標準報酬月額です。
標準報酬月額に社会保険料率をかけた金額が社会保険料です。
社会保険料は会社と労働者が半額づつ払います。
(会社と労働者とのあいだの約束で、会社が半分より多く社会保険料を払うことはできますが、労働者の方が会社より多く負担することは認められません。)
標準報酬月額は毎年4〜6月に受けとった給料の平均額できまります。
これを標準報酬月額の定時決定といいます。
標準報酬月額の定時決定では、残業代も報酬に含まれますから、残業をへらしましょう。
4〜6月は残業しないようにします。
7月以降の残業代が増えたからといっても標準報酬月額が増えるわけではありません。
(7月以降の残業代が減っても標準報酬月額が減りません。)
基本給が大幅アップして報酬月額が2等級以上あがった場合には、標準報酬月額が変わり(標準報酬月額の随時改定)、払う社会保険料も増えることになります。
しかし、7月以降の残業代(非固定的賃金)が増えても標準報酬月額は変わりませんから、月々払う社会保険料は増えません。
残業漬けの方は、せめて4〜6月は残業しないで早く仕事を終わらせて帰りましょう。
そして、早く仕事を終えるクセをつけて7月からも残業しないようにできたらもっといいですね。
くれぐれも社会保険料を増やさないためにサービス残業するような本末転倒なことはしませんように(^^)。
払う社会保険料が少し減ったからといって、残業代が減ってしまっては意味がありませんから。
<2021年度>社会保険の保険料額表(東京都)
令和3年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
全国健康保険組合 協会けんぽ
【編集後記】
4月から新年度。年間目標達成のために第1四半期は残業漬けの毎日!・・・とならないように残業なしで帰りましょう。
昨日の1日1新 カントリーマーム チョコまみれ
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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