もうすぐクリスマス。サンタの服を着てクリスマスケーキ販売のアルバイト。楽しそうですね。しかし、ケーキが売れ残ると無理やり買わされるということがあるようです。キッパリ断りましょう。
マルイ新宿1F
売れ残りを買う必要はない
ケーキ(商品)を売ります買いますというのは売買契約です。
契約は申込みの意思表示に対して承諾の意思表示が合致することで成立します。
“このケーキを1000円で1個私に売ってください”とあなたが申し込んで、“いいですよ、このケーキを1000円で1個あなたに売りましょう”とケーキ屋さんが承諾することでケーキの売買契約が成立します。
売買契約が成立すると、ケーキはあなたのものになり(所有権が移転)、ケーキを引き渡すように請求できます(引渡債権が発生)。そしてあなたはケーキの代金を支払う義務(代金債務が発生)が生じます。
アルバイト先で残りのもののケーキを買うように言われたら、ハッキリと断る
だから、あなたがケーキを買いたくて売ってくださいと申し込むのは自由ですが、買いたいわけでもないのに、アルバイト先から“買いなさい”と言われて買う必要は全くありません。
“買いません!”とはっきり言いましょう。
自由主義社会では個人の自由な意思が重要なものだとされています。
ですから、あなたが“買いたくありません。”“買いません。”という意思があるのに、他人が買うように強制することは許されません。
あなたが自由な意思で買いたいと思って売ってくださいと言ってもいないのに、買う必要がないものを買うように無理に押しつける強要は犯罪です。
残り物のケーキを買いなさいとアルバイト先で言われたら、はっきりと“買いません”と言いましょう。
“給料から差引くよ”はダメ
“帰りにケーキ1個持って帰ってね。その代金は給料から引いてあるからね!”も違法です。罰金刑となる犯罪です。
給料は全額を働いた人に支払わなければいけないことが法律で決められています。
労働基準法24条
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。
(後略)
労働基準法120条
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十四条、第十五条第一項若しくは第三項、第十八条第七項、第二十二条第一項から第三項まで、第二十三条から第二十七条まで、
(中略)
の規定に違反した者
【編集後記】
学生時代は私もいろんなアルバイトをしました。
クリスマスの日の夜にサンタの帽子をかぶって(服は作業着の白衣でしたが)駅ビルの出入口でローストチキンを売ったのは楽しい思い出です。
週末の1日1新 しめ縄リース・しめ縄 作り
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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