東京都が発行するポケットサイズ(横13cm縦約18cm厚さ約1cm)の労働法の冊子をこちらの記事「労働法を知ることは“選択の自由”を持つこと。」で紹介しました。
今日の記事は埼玉県が発行する2019年版『労働ハンドブック』の紹介です。
Contents
2019年版『労働ハンドブック』(埼玉県産業労働部)PDFファイル無料でダウンロードできる
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2019年版『労働ハンドブック』(埼玉県産業労働部)
労働ハンドブックは、働く人の権利や働く人のための制度・窓口の手引き書です。
2019年版『労働ハンドブック』(埼玉県産業労働部)は労働法を狭く捉えていないのが良い
1 労働法とは
「労働法」とは労働問題に関する法令全体の総称で、労働法という名の法律が あるわけではありません。「労働法」に分類される法律は様々で、労働契約法、 労働基準法、雇用保険法、労働者災害補償保険法、労働組合法、労働安全衛生法 などがあります。 労働法の基本理念は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む 権利を有する。」という憲法第 25 条の生存権の保障に由来しています。
また、憲法第 27 条は、第1項で「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を 負ふ。」と規定した上で、第2項で「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に 関する基準は、法律でこれを定める。」と、労働条件について法が関与すること を明確にうたっています。さらに、憲法第 28 条は「勤労者の団結する権利及び 団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」と、団結権、団体 交渉権、団体行動権のいわゆる労働三権を保障しています。 労働法は、こうした憲法の規定の具体的な展開とみることができ、それぞれの 法律が内容や目的に応じて、労働者の保護や労使関係の安定のために寄与してい ます。
2019年版『労働ハンドブック』P1
個別の法律の中身を説明する前に、労働法の理念を憲法で保障された人権から説明されています。
はじめて労働法についての本(PDFの冊子ですが)を読む方が、なぜこの条文があるのかこの法律があるのか?法・制度の趣旨を踏まえて読み始めるのは大切です。
章や節に当たるような目次の部分は、本文では章に当たる部分が黒地に白抜き節に当たる部分は青文字で色付けされていますので、何についての文章が書かれているのかがわかりやすく編集されています。
1つひとつの文章は短めなのも読みやすくなっています。
また、文章だけでズラズラと長く書かれるとわかりづらいですが、表や図で理解しやすくなっています。
労働相談にこられた方にもともと休日だった日に仕事をすることになったという問題についての質問で振替休日と代休との説明をすることがありますが、このページ(P27)を見ていただいて説明すれば一目瞭然ですね。とてもわかりやすい良い冊子です。
まずは、知りたい項目を目次から探して拾い読みしてみよう
自分が気になる・心配なことに関する項目の部分だけを目次から拾って読んでみましょう。
そして、2019年版『労働ハンドブック』(埼玉県産業労働部)が目に馴染んで親しんできたら冊子全体をながめてみましょう。
この冊子は表紙を入れて183ページ。章立てだと18章です。
スマホやタブレットにダウンロードしておけば、通勤・通学の電車の中などどこでも見ることが出来ます。
1日1章づつ読めば、週5日見るとして1ヶ月あれば無理なく冊子全体を読みきれます。
一度に細かい部分・言葉まで理解しきろうとしないで、まずは冊子の全体像をパラパラと眺める感じで十分です。
労働法入門の手始めにお読みいただければと思います。
【編集後記】
埼玉県発行の2019年版『労働ハンドブック』を紹介しました。
東京都発行の『ポケット労働法』2019と合わせて、気軽に読める労働法の手軽な冊子です。
自分で読むだけでなく、働く上での問題で困っている方を見かけたらダウンロードしてあげて目次を見て該当ページを開き、説明してあげてみてください。
職場以外でも未成年者や若い方など困っている方を見かけたらダウンロードして読むように伝えてみてはいかがでしょう。
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