【労災保険の適用事業所】個人事業も労働者1人働かせれば強制加入

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アルバイトしているときに仕事でケガをした。

「個人商店(個人事業)だから労災保険に入っていないので、労災保険うけられないよ。」と店長(事業主)に言われた。

そんなことはないですよ。

個人事業も労災保険に強制加入しています。

事業主が労災保険の加入手続きしていなくても、労働者は労災保険から給付を受けられます。

法人ではない個人事業も労働者1人しか働かせていなくても労災保険強制加入の対象

法人のわかりやすい例は会社です。

会社などの法人は労災保険の適用事業所なのはわかりやすいと思います。

しかし、法人ではない個人事業(個人事業主が行なう事業)も労災保険の適用事業所です。

個人事業で労災保険に強制加入しない例外は、農林畜水産業の中で以下の表の事業だけです。

事業の種類 労災保険が強制加入にならない暫定任意適用事業
1 個人経営の農業 労働者数5人未満で、
特定の危険又は有害な作業を主として行う事業以外のもの
2 個人経営の林業 労働者を常時は使用していない。
かつ、年間使用延労働者数が300人未満
3 個人経営の畜産、養蚕又は
水産(総トン数5トン未満の漁船による事業等)の事業
労働者数5人未満

表に当てはまらない事業は個人経営(個人事業)でも労働者を1人でも働かせたら、労災保険に強制加入しています。

個人事業主のもとで働く労働者も、労災(通勤災害、業務災害)に遭ったら、労災保険から給付を受けられます。

労災保険法2条の2

労働者災害補償保険は、第一条の目的を達成するため、業務上の事由、複数事業労働者の二以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に関して保険給付を行うほか、社会復帰促進等事業を行うことができる。

個人事業主も労働者を1人でも働かせたら労災保険の適用事業所、労災保険に強制的に加入しています。

労災保険の加入手続きをする法律上の義務が事業主にあります。

労災保険法3条1項

この法律においては、労働者を使用する事業を適用事業とする。

労働者を1人でも働かせたら、労災保険加入手続きをする法律上の義務があります。

会社など法人ではないから、個人経営だからといっても、労災保険の加入手続きは法律上の義務です。

労災保険法3条

(1項)この法律においては、労働者を使用する事業を適用事業とする。
2項 前項の規定にかかわらず、国の直営事業及び官公署の事業(労働基準法(昭和22年法律第49号)別表第一に掲げる事業を除く。)については、この法律は、適用しない。

国家公務員、地方公務員(現業の非常勤職員を除く)と船員は労災保険法の適用除外となっているのは、

公務員は労災保険法ではない別の給付が、船員は船員保険法から給付が受けられるからです。

労災保険の加入手続

労働者を1人でも働かせたら、事業主は労災保険の加入手続きをする義務があります。

労災保険の「保険関係成立届」を労働基準監督署に提出し、概算保険料申告書を提出し保険料を払います。

労災保険加入手続き

詳しくはこちらの記事で紹介しています。

2020年11月【労働保険適用促進強化期間】会社は労働保険の加入手続きをする法的義務がある

労災保険加入手続きしないと事業主はあとで大変な損をする

事業主が労災保険の加入手続きせずに労災が発生した。それでも労働者は労災保険から給付を受けられます。

しかし、加入手続き義務があった事業・個人事業主は、保険料をさかのぼって払うだけではありません。

労働保険料の徴収

労災保険から給付された費用の一部または全部を徴収されることになります。

労災保険 費用徴収

保険料さえ払っておけば、労災に遭った労働者にいくら保険給付がされても、追加で徴収されることはなかったのに・・・。

1人でも労働者を働かせたら、労災保険の加入手続きをしましょう。

労災保険の加入手続きをしていなかった場合 徴収される費用
労災保険の加入手続について行政機関から指導等を受けたにもかかわらず、手続を行わない期間中に業務災害や通勤災害 が発生した場合 事業主が「故意」に手続を行わないものと認定し、当該災害に関して支給された保険給付額の100%を徴収
労災保険の加入手続について行政機関から指導等を受けてはいないものの、労災保険の適用事業となったときから1年を経過して、なお手続を行わない期間中に業務災害や通勤災害が発生した場合 事業主が「重大な過失」により手続を行わないものと認定し、当該災害に関して支給された保険給付額の 40%を徴収

労災保険加入手続きしていない事業で働いてケガしても労働者は保険給付を受けられる

会社であっても個人事業でも、労災保険の加入手続きをする義務があります。

事業主が労災保険の加入手続きをする義務がありますが、加入手続きをしていなかった事業主のもとで働いていて労災に遭ったときでも、労働者は労災保険からの給付を受けられます。

労災保険給付

加入手続きをしていなかったことが行政にわかってしまい

過去分の保険料が徴収され労災保険給付の費用も徴収される。

だから労災保険請求に事業主が協力しないということもあります。

労働者が労災申請するのに事業主は協力する義務が法律で定められていますが、それでも事業主が協力しない場合でも、労働者が労災申請することができます

仕事中にケガをした。“労災じゃない”と言って労災保険請求書の証明欄に会社が記入してくれない❗️

仕事中のケガで入院している。“会社の証明がないと労災保険での医療費負担ゼロに出来ない”と病院に言われた。会社は労災証明拒否しているがどうしたらいい⁉️

【編集後記】

個人商店(個人事業)で働いていて仕事でケガや病気になったときでも、労災保険加入の手続きをしていない事業で働いていても、労災保険からの給付を受けられます。

カフェインレスカフェオレ

昨日の1日1新 iPhone ロック画面のままでコントロールセンターから新規「メモ」作成

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格