病気で困ったときは医者に相談します。
法律で困ったときは弁護士に相談します。
裁判で争うには弁護士に活動してもらいます。
市や区や町などの役所で開かれる無料の法律相談で弁護士に相談してみるのはいかがでしょうか。
法テラスは法的トラブルを抱えてしまったときに問題解決への道案内をするのが役目ですから気軽に相談してみたいところです。
労働問題であれば、働く方(労働者)は日本労働弁護団のホットラインなども相談先として覚えておきましょう。
しかし、裁判で争うかどうかわからない問題で弁護士に相談するのは敷居が高く感じる場合はどうしたらいいでしょうか。
相談してみたら、親切に応対してくれたと安心できるかもしれませんので、思い切って相談してみましょう。
それでも、まずは別の方法も検討したいという方に、労働基準監督官への労働基準法違反の申告、労働局の紛争調整委員会によるあっせん、について紹介します。
Contents
自分が困っている問題を『ポケット労働法』(東京都作成)で法的な問題点を知る。
まずは、自分が働く上で困っていることについて、法的に何が問題となっているのか、法的に何ができるのか、おおまかなことを知ることは、問題の解決に向けての第一歩です。
目次から自分が困っている問題に関することが書かれている部分を探して読んでみましょう。
はじめに、目次
第1章 働く人、雇う人のルール
第2章 就職するときに
第3章 賃金に関する基準
第4章 労働時間と休日・休暇
第5章 母性保護と育児・介護に関する制度
第6章 多様な働き方
第7章 安全・快適な職場環境
第8章 雇用保険と健保・年金
第9章 会社を離れるときに
第10章 労働組合
働く人たちのための窓口
『ポケット労働法2018』は以下からダウンロードできます。
労働基準法違反の是正を求めるなら、労働基準監督署に労働基準法違反の申告をする。
労働基準法違反の是正を求めるなら、“相談”ではなく“労働基準法違反の申告をするので、労働基準監督官に合わせてくれ”とはっきり告げましょう。
労働問題で労働基準監督署に行ったことがある電話したことがある方はご存知だと思いますが、労働基準監督官ではない「相談員」の方もいらっしゃいます。
言いづらいのですが、非常勤の相談員の方の中には法律に詳しくなく特定の資格の仕事の中で得た自分の人生の経験で人生相談のように話す場合があります。
労働基準法違反の申告は労働基準監督官に対して行なうことができる法律上の権利ですので、はっきりと告げましょう。
申告は匿名でもできます。匿名とするかどうかも労働基準監督官と話しましょう。
労働基準法第104条第1項
事業場に、この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。
労働基準監督官が監督権限をもっているのは、労働基準法、労働安全衛生法、賃金の支払の確保等に関する法律、じん肺法、作業環境測定法、家内労働法、といった労働基準法とその関連法規に限られます。
解雇の有効性など民事上の争いについては労働基準監督官は対応ができません。
労働局の個別労働紛争解決制度を利用する。
総合労働相談コーナーで相談する。情報提供を受ける。
労働問題について労働基準監督署に行ったときに、総合労働相談コーナーに案内されると思います。
労働基準法違反の申告については労働基準監督官に相談するようにはっきりと告げることが大切ですが、労働基準法違反以外の労働問題については総合労働相談員に相談することになります。
相談することで、労働問題に関する法令や判例についての情報が受けられることが期待できます。
しかし、相談が主目的であれば、相談員からのアドバイスで問題点や解決の結論を決めることはありません。
法テラスや日本労働弁護団を始めとする労働者側弁護士への相談など、相談先は他にもあります。
むしろ、総合労働相談コーナーでは解決のために、労働局長による助言・指導を求める、紛争調整委員会によるあっせんを受ける申し出をすることの意義が大きいでしょう。
労働局長による助言・指導を求める、紛争調整委員会によるあっせんを求める場合は、はっきりと告げましょう。
労働局長による助言・指導を求める。
裁判で争われている問題や、労働組合と事業主との間の争いや、労働者間での争いは対象となりません。
紛争調整委員会によるあっせんを受ける。
労働基準監督官への労働基準法違反の申告と異なり、募集・採用に関することを除く労働問題に関するあらゆる分野の紛争の解決を求めることができます。
裁判と比べると手続きが早く、裁判と違ってあっせんは無料です。
当事者の間に弁護士等の学識経験者である第三者が入り、双方の主張の要点を確かめ、紛争当事者間の調整を行い、話合いを促進することにより、紛争の円満な解決を図る制度です。
なお、両当事者が希望した場合は、両者が採るべき具体的なあっせん案を提示することもできます。
【編集後記】
都道府県単位の労働局の紛争調整委員会によるあっせんには、特定社会保険労務士が代理人として活動することができます。
労働相談について(とお申し込み)はこちらのプロフィールをご覧ください。
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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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