【社会保険労務士の業務】社労士って何をする人?

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「社労士(社会保険労務士)ってなにをする人なの?」
はじめて会った親戚から今年の正月に聞かれました・・・。

「社労士は労働や社会保険に関するたくさんの法律にかかわる幅広い仕事ができるのですが、私は障害年金と労災保険給付の相談・請求手続き、労働者からの依頼をうけて労働局や労働委員会で労働問題解決のためのあっせん代理人の3つだけしています」という感じでこたえました。

「労働や社会保険に関するたくさんの法律にかかわる幅広い仕事」といわれても、なんとのことか伝わらなかっただろうなと反省しています。

社会保険労務士の業務とはなにか。

「シャロウシってなに?」という方に、社労士業のイメージが伝わるように紹介します。

社会保険労務士の業務 (社会保険労務士法 2条、27条、別表第1)

社会保険労務士の業務の内容は、社会保険労務士法(2条、27条、別表第1)でさだめられています。

営利を目的として労働および社会保険に関する法令(労働社会保険諸法令)にもとづく以下の業務は社会保険労務士だけが行なうことができます。

社会保険労務士でない者が、労働社会保険諸法令にもとづく以下の行為をおこなうことは法律で禁止されています。

    1. 申請書などの作成
    2. 提出代行
    3. 事務代理
    4. 個別労働紛争解決手続代理業務 ( 社会保険労務士のなかでも「特定社会保険労務士」だけが代理できる )
    5. 帳簿類の作成

社会保険労務士法27条(業務の制限)

社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第2条第1項第1号から第2号までに掲げる事務を業として行つてはならない

ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び政令で定める業務に付随して行う場合は、この限りでない。

社会保険労務士法2条(社会保険労務士の業務)

社会保険労務士は、次の各号に掲げる事務を行うことを業とする。

1号 別表第1に掲げる労働及び社会保険に関する法令(以下「労働社会保険諸法令」という。)に基づいて申請書等(行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書、審査請求書、再審査請求書その他の書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識できない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。)をいう。以下同じ。)を作成すること。

1の2 申請書等について、その提出に関する手続を代わつてすること。

1の3 労働社会保険諸法令に基づく申請、届出、報告、審査請求、再審査請求その他の事項(厚生労働省令で定めるものに限る。以下この号において「申請等」という。)について、又は当該申請等に係る行政機関等の調査若しくは処分に関し当該行政機関等に対してする主張若しくは陳述(厚生労働省令で定めるものを除く。)について、代理すること(第25条の2第1項において「事務代理」という。)。

1の4 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(平成13年法律第112号)第6条第1項の紛争調整委員会における同法第5条第1項のあつせんの手続並びに障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)第74条の7第1項、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号)第30条の6第1項、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号)第18条第1項、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第47条の8第1項、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)第52条の5第1項及び短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76号)第25条第1項の調停の手続について、紛争の当事者を代理すること。

1の5 地方自治法(昭和22年法律第67号)第180条の2の規定に基づく都道府県知事の委任を受けて都道府県労働委員会が行う個別労働関係紛争(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第1条に規定する個別労働関係紛争(労働関係調整法(昭和21年法律第25号)第6条に規定する労働争議に当たる紛争及び行政執行法人の労働関係に関する法律(昭和23年法律第257号)第26条第1項に規定する紛争並びに労働者の募集及び採用に関する事項についての紛争を除く。)をいう。以下単に「個別労働関係紛争」という。)に関するあつせんの手続について、紛争の当事者を代理すること。

1の6 個別労働関係紛争(紛争の目的の価額が120万円を超える場合には、弁護士が同一の依頼者から受任しているものに限る。)に関する民間紛争解決手続(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(平成16年法律第151号)第2条第1号に規定する民間紛争解決手続をいう。以下この条において同じ。)であつて、個別労働関係紛争の民間紛争解決手続の業務を公正かつ適確に行うことができると認められる団体として厚生労働大臣が指定するものが行うものについて、紛争の当事者を代理すること。

2号 労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類(その作成に代えて電磁的記録を作成する場合における当該電磁的記録を含み、申請書等を除く。)を作成すること。

3号 事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること。

2項 前項第1号の4から第1号の6までに掲げる業務(以下「紛争解決手続代理業務」という。)は、紛争解決手続代理業務試験に合格し、かつ、第14条の11の3第1項の規定による付記を受けた社会保険労務士(以下「特定社会保険労務士」という。)に限り、行うことができる。

3項 紛争解決手続代理業務には、次に掲げる事務が含まれる。

1号 第1項第1号の4のあつせんの手続及び調停の手続、同項第1号の5のあつせんの手続並びに同項第1号の6の厚生労働大臣が指定する団体が行う民間紛争解決手続(以下この項において「紛争解決手続」という。)について相談に応ずること。

2号 紛争解決手続の開始から終了に至るまでの間に和解の交渉を行うこと。

3号 紛争解決手続により成立した和解における合意を内容とする契約を締結すること。

4項 第1項各号に掲げる事務には、その事務を行うことが他の法律において制限されている事務並びに労働社会保険諸法令に基づく療養の給付及びこれに相当する給付の費用についてこれらの給付を担当する者のなす請求に関する事務は含まれない。

第2条の2 社会保険労務士は、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述をすることができる。

2項 前項の陳述は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなす。ただし、当事者又は訴訟代理人が同項の陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでない。

労働および社会保険に関する法令は、60の法律とその法律にもとづく命令(政令・省令)、それらの法令にかかる不服申立ての場合の行政不服審査法があります。

具体的な法令は社会保険労務士法の別表第1にさだめられています。

社会保険労務士以外は法律で禁止されている「労働および社会保険に関する法令」は60以上

社会保険労務士以外の者がおこなうことが禁止されている、社会保険労務士だけがおこなうことが認められれている業務である労働および社会保険に関する法令(労働社会保険諸法令)は60以上あります。

具体的には社会保険労務士法の別表第1にさだめられています。

社会保険労務士法 別表第1(第2条関係)
1 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)
2 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)
3 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)
4 雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)
5 労働保険審査官及び労働保険審査会法(昭和三十一年法律第百二十六号)
6 削除
7 職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)
8 駐留軍関係離職者等臨時措置法(昭和三十三年法律第百五十八号。第十条の二の規定に限る。)
8 最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)
10 中小企業退職金共済法(昭和三十四年法律第百六十号)
11 国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法(昭和五十二年法律第九十四号)
12 じん肺法(昭和三十五年法律第三十号)
13 障害者の雇用の促進等に関する法律
14 削除
15 激甚じん災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(昭和三十七年法律第百五十号。第二十五条の規定に限る。)
16 労働災害防止団体法(昭和三十九年法律第百十八号)
17 港湾労働法(昭和六十三年法律第四十号)
18 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律
19 炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法(昭和四十二年法律第九十二号)
20 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
20の2 家内労働法(昭和四十五年法律第六十号)
20の3 勤労者財産形成促進法(昭和四十六年法律第九十二号)
20の4 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和四十六年法律第六十八号)
20の5 沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号。第七十八条の規定に限る。)
20の6 労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)
20の7 作業環境測定法(昭和五十年法律第二十八号)
20の8 建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和五十一年法律第三十三号)
20の9 賃金の支払の確保等に関する法律(昭和五十一年法律第三十四号)
20の10 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法(昭和五十六年法律第七十二号。第十六条(第十八条の規定により読み替える場合を含む。)及び第二十条の規定に限る。)
20の11 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
20の12 地域雇用開発促進法(昭和六十二年法律第二十三号)
20の13 中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律(平成三年法律第五十七号)
20の14 介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成四年法律第六十三号)
20の15 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(平成四年法律第九十号)
20の16 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律
20の17 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
20の18 林業労働力の確保の促進に関する法律(平成八年法律第四十五号。第十三条の規定に限る。)
20の19 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
20の20 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律
20の21 石綿による健康被害の救済に関する法律(平成十八年法律第四号。第三十八条及び第五十九条の規定に限る。)
20の22 次世代育成支援対策推進法(平成十五年法律第百二十号)
20の23 職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律(平成二十三年法律第四十七号)
20の24 生活困窮者自立支援法(平成二十五年法律第百五号。第十六条第一項及び第二十一条第二項の規定に限る。)
20の25 専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法(平成二十六年法律第百三十七号)
20の26 青少年の雇用の促進等に関する法律(昭和四十五年法律第九十八号)
20の27 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成二十七年法律第六十四号)
20の28 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律(令和二年法律第五十四号)
20の29 特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律(令和三年法律第七十四号)
21 健康保険法
22 船員保険法
23 社会保険審査官及び社会保険審査会法(昭和二十八年法律第二百六号)
24 厚生年金保険法
25 国民健康保険法
26 国民年金法
26の2 年金生活者支援給付金の支給に関する法律(平成二十四年法律第百二号)
27 独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号。第十二条第一項第十二号及び第十三号並びに附則第五条の二の規定に限る。)
28 石炭鉱業年金基金法(昭和四十二年法律第百三十五号)
29 児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)
29の2 平成二十二年度等における子ども手当の支給に関する法律(平成二十二年法律第十九号)
29の3 平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法(平成二十三年法律第百七号)
30 高齢者の医療の確保に関する法律
31 介護保険法
32 前各号に掲げる法律に基づく命令
33 行政不服審査法(前各号に掲げる法令に係る不服申立ての場合に限る。)

「労働者のための社労士・小倉健二」が取り組む業務は3つ(障害年金・労災保険給付・労働者の代理人として労働問題のあっせん解決)

社会保険労務士だけが業務とすることができる「労働および社会保険に関する法令」は60以上あります。社労士の業務は幅広いものです。

小倉健二社会保険労務士事務所は、所長である私がひとりで業務をおこなっています。

すべてについての業務にとりくんでお役にたてるのが1番ですが、60以上ある法令の業務を私ひとりでおこなうことは残念ながらできません。

依頼者のために責任をもって業務をおこなうためには、私だからこそできる・ひとりでもできる業務に特化して依頼をお受けするのはやむをえないこととしてご理解いただきたいと思います。

障害年金の請求・労災保険給付の請求・労働者からの依頼による労働問題のあっせん。

この3つに特化することで、責任をもって仕事をお受けすることができています。

障害年金の相談・請求

病気やケガで障害の状態にある方が、 障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)を受けるための相談・請求手続きをお受けしています。

障害年金の不支給決定などに対する、不服申立ての手続きもお受けしています。

労災保険給付の相談・請求

通勤・仕事でケガをした、病気になった労働者の方が、労災保険からの給付を受けるための相談・請求手続きをお受けしています。

労災保険給付の不支給決定などに対する、不服申立ての手続きもお受けしています。

労働者の方からの労働問題の相談・あっせん代理

解雇・賃金・労働条件の切下げなどの労働問題の相談、公的な機関である労働委員会・労働局によるあっせん申請の代理人としての依頼をお受けしています。

労働問題の解決のためのあっせん代理の依頼は、労働者の方にかぎりお受けしています。会社側(使用者の方)からのご依頼はお受けしておりません。

労働問題の解決には、会社との直接交渉、会社と労働組合との団体交渉、裁判所による裁判・労働審判などさまざまな解決方法があります。

正当な場面で「争う」ことは大切なことです。しかし、争うことそのものが苦手・得意ではないという方もいます。

話し合いによる解決、そしてその話し合いも、会社と直接するのではなく公的な機関が間にはいり早期に解決することをのぞむ。

そんな方には「あっせん」がむいています。

「内向型」労働者の方の労働問題の解決方法としても、あっせんをおすすめしています。

【編集後記】

60以上もの労働および社会保険に関する法令(労働社会保険諸法令)にもとづき業務をおこなう社会保険労務士。
そんな「シャロウシ」(社労士)がおこなう業務についてイメージができたでしょうか?

あなたの労働と年金をふくめた社会保険についての困りごとの解決のために、あなたにピッタリの社労士が見つかることを願っています。

障害年金・労災保険給付・労働者の代理人として労働問題のあっせん解決のための「労働者のための社労士」として、私(小倉健二)は依頼をお受けしております。

新型コロナ感染症はおさまりつつありますが、安心するのはもう少しだけ先になるでしょう。

すくなくとも初回相談はzoomでのオンライン面談をもうしばらくお願いいたします。

オンライン面談は、場所をえらばず移動時間も必要ありません。

マスクをしていないほうがお互いの表情も伝わりやすいですので、とくに初回面談はオンラインがむいています。

Musk ogura

マスクでお会いすると、私はこんな感じです。(マスクの下は一応スマイルです)

Ogura

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格