「病院に行ってもロクに話を聞かずに薬を処方されるだけだから」
そうは言わずに、まず一度は病院で診療を受けておきましょう。
障害年金は、障害の原因となった病気やケガで医師または歯科医師による診療を受けていないと請求できません。
障害認定日における障害の状態を記入する診断書ももちろん医師でなければ作成できません。
Contents
【障害年金】を受けとるには「初診日」が重要
障害年金受給3要件はどれも「初診日」が起点
- <加入要件>初診日に年金に加入していること(厚生年金。国民年金は例外あり)
- <保険料納付要件>初診日の前日に年金保険料の納付要件をみたしていること
- <障害等級該当要件>障害認定日(原則は初診日から1年6月を経過した日)に障害の状態にあること
障害年金の受給3要件についての参考記事はたとえば
【障害年金の請求】まず初診日を確定。受診状況等証明書を医師に依頼
「初診日」の「診」とは医師・歯科医師の診療のこと
「初診日」とは障害の原因となった傷病(病気やケガ)について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
医師または歯科医師による診療以外は「初診日」の「診」となりません。
体調が悪く元気がなくて疲労状態でグッタリしていたので、柔道整復師による施術を受けていた。
うつ状態で気分が落ち込んでいて夜も眠れず不安だったので、カウンセラーによるカウンセリングを受けていた。
体調が悪く障害の原因となる病気やケガの症状があったり発病していたとしても、
柔道整復師による施術、カウンセラーによるカウンセリングは、どちらも「診療」にはなりません。
障害年金を受けとるためには「初診日」が重要ですが、あくまでも医師または歯科医師による診療を初めて受けた日が初診日です。
体調が悪い、具合が悪い。柔道整復師やカウンセラーの施術・カウンセリングを受け続ける前に病院で診察を受けましょう
「整形外科を受診してもレントゲンに骨の異常が見られないと言われ、赤外線を照てるだけだから行くだけ無駄だと聞いた。痛みにあわせて施術してくれるから柔道整復師の方がいいらしい。」
「精神科は話も聞かずに薬出すだけだから、じっくりと話を聞いてくれるカウンセラーのところに行った方がいいらしい。」
こんな話を聞くこともあるでしょう。
医師、柔道整復師、カウンセラー、そのほか。
それぞれ役割がちがいます。どれがいいとか悪いとかいう問題ではありません。
しかし、今ある症状が将来悪化した場合に障害年金を受けとりたいと思った場合には、柔道整復師、カウンセラー、そのほかの人が行なった行為は「診療」にはなりません。
施術やセラピーなどをはじめて受けた日は「初診日」になりません。
障害年金を請求する上でかなめとなる「初診日」は、障害の原因となったケガや病気で、初めて「医師または歯科医師」の診療を受けたをいいます。
具合が悪い、体調が悪いのでしたら、病院で医師による診療を受けましょう。
整骨院、カイロプラクティス、カウンセラーによるカウンセリングルームなどに通うだけでなく、病院で医師による診療を受けましょう。
とくにサラリーマンなど厚生年金に加入している人。
体調が悪いので、整骨院に行っている、カウンセラーによるカウンセリングを受けていている。
体調が悪いので会社を辞めてゆっくり休もうという人は要注意です。
会社を辞める前に必ず病院で診療を受けましょう。
厚生年金に加入している日に初診日があれば、国民年金から障害年金(障害基礎年金)を受けとれる場合には、厚生年金からも障害年金(障害厚生年金)を受けとれます。
厚生年金に加入している日に初診日があれば、国民年金から障害年金(障害基礎年金)を受けとれない場合でも、3級の障害の状態に該当すると障害厚生年金を受けとることができます。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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