会社を辞めようと思っているなら、具合の悪いところは我慢していないで、会社を辞める前に医者に診てもらっておくこと

固定ページ
Pocket

障害年金は3つの要件を満たすと受けとることができます。

(1)初診日
(2)障害の程度
(3)保険料納付

障害の原因となる病気やケガではじめて医者の診療を受けた日(初診日)に、厚生年金に加入していれば、障害基礎年金(国民年金)と障害厚生年金の両方を合わせて受けとれる

(1)初診日

障害年金は、障害の原因となる病気やケガではじめて医者の診療を受けた日(初診日)に、加入していたのが国民年金か厚生年金かによって、受けとる年金の額がちがいます。

障害基礎年金(国民年金)だけを受けとるか、障害基礎年金と障害厚生年金の両方を受けとれるか、初診日に国民年金に加入していたのか厚生年金に加入していたのかどちらなのか、ここが分かれ目になります。

障害年金における初診日とは、病名の診断を受けた病院ではじめて診療を受けた日とは限りません。

うつ病による障害で障害年金を受けとるという場合、どうも頭が痛くてたまらないといって近所の内科に行って診察を受けた。精神的な問題が原因だと考えられるので精神科に行くようにと内科の医者に言われて、別の日に精神科で診察を受けたところうつ病と診断を受けた。
この場合の初診日は精神科ではじめて診療を受けた日ではなく、頭が痛くてはじめて受診した内科での診療の日が初診日になります。

勤め人の方が勤めているときから具合が悪くて、その後に会社を辞めた、そして具合が悪かった病気・ケガが原因で障害の程度に該当して年金を受け取れるという場合、同じ障害の程度であっても、初診日が勤め人だったのか、初診日には会社を辞めて勤め人でなかったのかによって、受けとれる年金の種類と年金額が違うのです。

会社に勤めているときに具合が悪いのにそれをそのままにして病院に行かず、その病気やケガが原因で障害を負ったという場合は、会社を辞める前に病院に行って診療を受けた場合と比べて、受けとれる年金額が減ってしまうのです。
受けとれる年金の額の問題だけではなく、3級に該当する障害の程度になった場合は障害年金そのものを受けとれなくなるのです。

初診日に加入していたのが国民年金の場合なら、受けとれる年金の額は以下の通りです。
初診日に厚生年金に加入していた場合は、さらに障害厚生年金をプラスして受けとります。

障害基礎年金
2級:779,300円+α(α=子ひとりずつ224,300円、3人目からは74,800円)
1級:779,300円×1.25+α

障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法 日本年金機構

公的年金制度の仕組み 厚生労働省

国民年金の場合は障害の程度が1級か2級の場合に年金が支給されますが、厚生年金の場合には1級2級には該当しない程度の障害であっても3級の程度の障害にあれば3級の障害年金を受けとれます。
この3級は厚生年金だけの制度なので障害基礎年金は受けとれません。
3級の場合は障害厚生年金だけを受けとることができます。

障害厚生年金の受給要件・支給開始時期・計算方法 日本年金機構

(2)障害の程度

原則として初診日から1年6月を経過した日に、障害の程度を認定する場合の基準に該当すると障害年金が受けとれます。

(3)保険料納付要件

初診日の前日に初診日の前々月分までの保険料1年分の保険料をすべて払っている場合は要件を満たします。たとえば会社に勤めている方だったら年金保険料を差し引かれて給料を受けとっていますので1年より長く勤めていれば保険料納付要件を満たしていると考えて大丈夫です。

詳しい保険料納付要件はこちらから

国民年金・厚生年金の、どちらで長い期間の保険料を払ってきたか、どちらの保険に加入しているときに障害の原因となる病気やケガが発生していたか、ではなく、どちらの保険に加入しているときに初診日があるのかで受けとる年金が国民年金か厚生年金(と国民年金の両方)かが決まるのが障害年金です。

今あなたが勤め人で具合が悪いところがあるのなら、早めに病院に行って診てもらいましょう。

【編集後記】

今日の1日1新

新宿を歩いていると、新宿駅西口広場イベントコーナーで北海道物産フェアが開催されていました。

めかぶ茶。はじめて飲みました。塩味がついためかぶをカップに入れて熱湯を注いて出来上がり。試飲させてもらうと塩っぱくておいしい!飲み終わったあとはカップの底にあるトロッとしためかぶを食べます。1袋買って帰宅。

The following two tabs change content below.

小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格