「生活保護の割合、一般の4.6倍 障害年金受給者、低所得で」のタイトルで共同通信配信の記事が昨日(2021/03/03)の各新聞に掲載されています。
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「生活保護の割合、一般の4.6倍 障害年金受給者、低所得で」
新聞記事では、障害年金受給者のうち、生活保護を受給している割合が紹介されています。
共同通信配信で新聞各紙に掲載されていますので、記事を読んだ方もいらっしゃるでしょう。
新聞記事は、2020/12/28に公開されている2019年「障害年金受給者実態調査」結果をもとにしています。
全人口の保護率(18年度)が1.66%に対して、障害年金受給者では7.6%と高い割合であることが紹介されています。
2019年「障害年金受給者実態調査」結果
2019年「障害年金受給者実態調査」結果は2020/12/28に厚生労働省から公開されています。
障害年金受給者のなかで生活保護を受給している割合。
- 厚生年金 5.3%
- 国民年金 8.2%
保護率(日本における生活保護受給人口の全人口に対する割合)1.66% より高くなっています。
障害年金受給者のうち、生活保護を受給している割合をみると、厚生年金計で5.3%、国民年金 計で8.2%となっており、保護率(日本における生活保護受給人口の全人口に対する割合)1.66% より高くなっている。
障害等級別にみると、障害の程度が軽くなるにつれて生活保護の受給割合が多くなっている。
厚生労働省「年金制度基礎調査」(障害年金受給者実態調査)令和元年
この厚生労働省の調査結果に対して、
前回調査に比べると、全人口の保護率は微減したが、障害年金受給者では2割近く上昇した。年金だけでは生活できず、所得保障として不十分な実態が浮かんだ。
と新聞記事では評価しています。
確かに働いて収入を得ることができずに障害年金だけで生活する場合には、年金だけでは収入が不足してしまいます。
厚生労働省「年金制度基礎調査」(障害年金受給者実態調査)については、こちらの記事でも紹介しています。
【障害年金についてのよくある誤解】厚生労働省の統計情報・実態調査で事実を知ろう
障害年金か生活保護か?の二者択一ではない
×障害年金を受けとっていたら生活保護は受けられない。
×生活保護を受けとっていたら障害年金は受けられない。
障害年金と生活保護は二者択一だと思っている方がいますが、そうではありません。
障害年金を受けとっていても生活保護を受けられる
多くの方が各新聞でこの記事を読んで、あらためて知っていただきたいことがあります。
それは、障害年金を受けとっていても生活保護を受けられるということです。
年金受給者と比較して生活保護の金額の方が高いことが問題であるかのような考え方を見聞きすることがありますが、そうではありません。
障害年金を受けとっていても生活保護を受けられるのです。
反対に言うと、生活保護を受けていても障害年金を受けとれるということでもあります。
生活保護は補足性の原理によって、年金を受けとれる場合は生活保護費よりも優先されますので、生活保護と障害年金を2つとも受けとれるものではありません。
受けとった障害年金の分は受けとれる生活保護費が少なくなります。
しかし、障害年金1級2級に該当すると、障害者加算を受けとることができますから生活保護費が増えます。
こちらの記事で紹介しています。
障害年金1・2級を受けると、障害者加算で生活保護の額が増えます。(生活保護を受けている方)
(障害年金の受給資格がない方でも障害者手帳などで障害者加算が受けられます。)
そして、将来収入が増えて生活保護を受けとらなくなった場合でも、障害等級に該当する限り障害年金は一生受けとれます。
昨日(2021/03/03)の新聞記事「生活保護の割合、一般の4.6倍 障害年金受給者、低所得で」を機会に、障害年金か生活保護か?ではないことを知っていただければと思います。
【編集後記】
「生活保護VS年金」ではありません。
年金VS生活保護ではない。年金受給者も生活保護を受けられます。
障害年金を受けていても、生活が困窮していれば不足分を生活保護を受けることができます。
生活保護を受けていても、障害年金を受けることができます。
昨日の1日1新 下高井戸 羽付き鯛焼き
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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