障害年金を受けとる方が増えている

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2003年度とくらべると2019年度の障害年金の受給者数は1.3倍増えています。

【障害年金受給者】16年間で1.3倍

2019年(令和元年)度末における障害年金の受給者数250万人(249万7千人)。

障害厚生年金と障害基礎年金の両方を受けとっている方の重複分をのぞくと、221万人(221万1千人)の方が障害年金を受けとっています。

令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業年報

障害厚生年金と障害基礎年金の両方を受給している方の重複分をのぞいた障害年金を受けとっている方の人数。

2003年度末は169.9万人でしたが、2019年度末では221.1万人。

障害年金を受けとっている方の人数が1.3倍ふえています。

障害年金受給者数 千人

年度 障害年金受給者数(千人)
年度末時点
2003年度対比
2003 1699
2004 1729 101.8%
2005 1755 103.3%
2006 1820 107.1%
2007 1850 108.9%
2008 1857 109.3%
2009 1887 111.1%
2010 1925 113.3%
2011 1952 114.9%
2012 1979 116.5%
2013 2009 118.2%
2014 2038 120.0%
2015 2075 122.1%
2016 2111 124.2%
2017 2139 125.9%
2018 2171 127.8%
2019 2211 130.1%

e-Stat 政府統計の総合窓口
厚生年金保険・国民年金事業統計

障害年金を受けとっている方は「障害者」の4人に1人

障害者数 推計
身体障害者 419.5万人(18歳以上)
知的障害者 85.1万人(18歳以上)
精神障害者 391.6万人(20歳以上)
18歳以上の障害者合計 896.2万人

大人の「障害者」の方は約896万人いらっしゃいます。

障害年金を受けとっている方は約221万人です。

単純に比較すると4人に1人しか障害年金を受けとっていないことになります。

比較

もちろん、「障害者」であることと障害年金を受けとれることは別です。

しかし、まだまだ受けとれるはずの障害年金を受けとっていない方がたくさんいるのではないでしょうか。

【障害年金】3つの条件をみたすなら請求する

障害年金は3つの条件(要件)を満たしている方が受けとることができます。

障害年金の受給3要件 内容
年金加入要件 初診日に公的年金に加入していること

(国民年金には例外があります)

保険料納付要件 初診日の前日に一定の保険料を納付していること

(免除や猶予も含まれます)

障害状態要件 障害認定日に障害等級に該当する程度の状態であること

(国民年金は1級2級、厚生年金は1級〜3級)

障害年金を受けとることができるための条件(要件)は3つで、表にしてみるとわかりやすいです。

しかし、1つひとつの要件は実際にはわかりづらいものです。

たとえば、

初診日とは、障害の原因となった病気やケガで、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことをいいます。
障害年金を請求する診断書に書かれた病名ではじめて診療を受けた日ではありません。

国民年金は20歳〜60歳になるまで加入して保険料を払います。
20歳前と60歳からは保険料を払いませんが、この期間に初診日があれば保険料納付要件は問われません。

保険料の免除や猶予の手続きをしている方。
初診日の前日までに申請ができていれば、障害年金を請求するうえでは保険料納付したのと同じ扱いになります。

生活保護の生活扶助を受けている方などは保険料の法定免除になります。
法定免除に該当した日から障害年金を請求するうえで保険料納付と同じ扱いとなります。初診日の前日までに届出がしてなくても法定免除に該当していれば大丈夫です。

障害認定日は初診日から1年6月をすぎた日が原則です。
障害認定日では障害等級に該当する障害の状態ではなかった方でも、その後に障害の状態が悪くなった場合は、65歳の誕生日の2日前までなら障害年金を請求することができます。

障害年金を受けとれるための条件(要件)は3つですが、1つひとつの条件の意味する内容はむずかしい。

それぞれの条件が当てはまるかどうか実際にはわかりづらく、障害年金の請求をあきらめている。

そんな方が少なくないと思っています。

障害年金の請求をあきらめる前に、障害年金に取りくんでいる社会保険労務士に相談してみてはいかがでしょうか。

【編集後記】

昨日(2022/01/31)は久しぶりに多摩湖自転車道へ。
梅の花が咲いていました。

IMG 3508 1

今日から2月。
これからの1カ月が寒さが一番厳しいときですが、花が咲きはじめ春にむけて準備が進んでいるときでもあります。

コロナ禍で仕事や生活が厳しい方は、新型コロナ休業支援給付金や住居確保給付金など返済不要の給付金を利用して乗り切りましょう。
生活保護を利用して生活を立て直すこともできます。

厳しい今を乗り切り生活を立て直してすごせば、やがてコロナ禍も去っていきます。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格