【障害年金】障害認定日から1年すぎて請求するときは2枚の診断書が必要

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障害年金の支給は、障害認定日の時点での障害の状態で判断されます。
障害の状態の判断で1番重要なのが、障害年金請求専用の診断書です。
障害年金の請求手続きをするのがいつなのかによって、必要な診断書の枚数が変わります。

【障害認定日請求】障害年金の支給は障害認定日での障害の状態で判断される

障害年金をうけとるためには、障害年金受給3要件をみたす必要があります。

公的年金加入要件、年金保険料納付要件、障害等級該当要件の3つをみたすと障害年金をうけとることができます。

障害年金受給3要件 障害年金を受けとるための法律上の3つの条件
公的年金加入要件 初診日に年金に加入していること(国民年金は例外あり)
保険料納付要件 初診日の前日に年金保険料の納付要件をみたしていること
障害等級該当要件 障害認定日に障害の状態にあること
(障害認定日は原則として初診日から1年6月を経過した日)

初診日と障害年金受給3要件についての参考記事はこちら

【障害年金受給3要件】法律の条文で確認する

障害年金等級該当要件についての参考記事はこちら

【障害年金】を受けとれる1級2級3級の障害の状態とは?

障害年金受給3要件の1つ障害等級該当要件は、障害認定日に障害年金の障害等級にあてはまる障害の状態にあるかどうかで判断されます。

障害の状態の判断で1番重要になるのが医師が記入した診断書です。

障害年金請求専用の診断書は症状に応じて8種類あり、医師に記入してもらいます。

障害認定日は、原則として初診日から1年6月経過した日です。

障害認定日

『かけはし』58号(日本年金機構)

障害認定日についての参考記事はこちら

障害年金。初診日から1年6ヶ月待たずに障害認定日となる場合があります。

しかし、初診日から1年6月を経過したちょうどその日に医師の診察をうけていることは少ないでしょう。

そこで、障害認定日以降3ヶ月以内で受診した日の状態を診断書に記入してもらえばよいことになっています。

障害認定日から1年以内に障害年金を請求する場合には、提出する診断書は1枚です。

障害認定日以後3ヶ月以内の状態についての診断書を1枚提出します。

初診日が20歳前の場合は障害認定日の後3ヶ月以内の状態の診断書を提出します。

障害認定日の診断書現症日

『かけはし』58号(日本年金機構)

【遡及請求】障害認定日から1年以上すぎて請求するときは、障害認定日の診断書の他に請求日3ヶ月以内の診断書も必要

  • 障害認定日から3ヶ月以内の現症日の診断書1枚(初診日が20歳前の場合は障害認定日の前後3ヶ月以内の現症日の診断書)
  • 請求日から3ヶ月以内の現症日の診断書1枚

障害認定日から1年過ぎてから請求する場合には、診断書2枚必要です。

障害認定日時点での障害の状態と合わせて、障害認定日から1年以上すぎた請求日現在での状態も確認するためです。

認定日から1年

『かけはし』58号(日本年金機構)

障害年金の請求は障害認定日にさかのぼっておこなうことができます。
ただし消滅時効が5年ですので、過去にさかのぼって支給される年金は最長5年分になります。

【事後重症請求】障害認定日すぎてから障害の状態になったときは、請求日の3ヶ月以内の診断書を1枚提出する

障害の状態は障害認定日で判断されます。
しかし、初診日から1年6月を経過した障害認定日では障害年金の障害等級にあてはまる障害の状態にはなかったということもあります。

この場合は、障害認定日をすぎたあとで障害等級に該当する障害の状態になった時点で、障害年金を請求することができます。

障害認定日よりも事後に障害の状態が重症化したことによる障害年金の請求ということで「事後重症請求」といいます。

事後重症請求による障害年金は、請求日の翌月分から支給されます。

障害認定日請求とはことなり請求日以前の月分の年金は支給されません。

障害認定日の時点では障害年金の障害等級にあてはまる障害の状態になかった方が、あとから障害の状態が重症化した場合はすぐに障害年金を請求しないとうけとることができる年金がへっていってしまいます。

事後重症のよる障害年金を請求するときには、請求日以前3ヶ月以内の診断書を提出します。

過去(障害認定日)にさかのぼって年金が支給されませんので、障害認定日時点での診断書は必要ないためです。

【編集後記】

今日(2022/06/15)も寒く最高気温は20度の予報。
明日からは30度前後の日が続く予報で、ムシムシして梅雨らしくなるのでしょうか。

体調管理に気をつけたいところです。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格