障害の状態にあると、働くことが困難で経済的に困窮してしまうこともあります。
学生時代に奨学金を借りていて返済に困っている人は、免除をうけて支出をへらすことができるかもしれません。
また、障害年金を受給して安定した収入をふやすことができるかもしれません。
「病気で障害の状態にあり働く日数を減らして生活が厳しい。奨学金の返済もあるし困った・・・。」
奨学金返済免除と障害年金受給で生活の安定めざす
精神・身体に障害の状態があり生活や働くことに困難な状態があると、経済的にも困ることが少なくありません。
収入がふえるか、支出がへることで経済的な生活が安定します。
2ヶ月に1回づつ定期的に支給される障害年金を受給することができると収入面で安心できます。
学生時代に奨学金を借りていて、卒業後に返済していたが障害の状態になって返済が厳しいという方は、奨学金の「返済免除」が受けられるかもしれません。
奨学金の返済免除を受けられれば、支出をへらすことができます。
奨学金の返済免除で支出をへらし、障害年金受給で安定的な収入をえることで、収支を改善して生活を安定することができます。
収支を改善して生活が安定することで、障害の状態の改善にもつながることがあるかもしれません。
奨学金返済免除の願い出(日本学生支援機構)
日本学生支援機構から奨学金を借りた人は、障害(精神・身体)により返済ができなくなった場合には、返済免除を願い出ることができます。
審査された結果、日本学生支援機構がさだめる障害の1級と認められると、残額の全部が返済免除されます。
2級に認められると返済が一部免除されます。
一部免除は返済残額の4分の3(=75%)以内の額が返済免除されます。
障害の状態について「級」という表現で認定されることがあります。
障害者手帳や障害年金でも「級」で表現されます。
日本学生支援機構の奨学金返済免除についても級で認定されます。障害の程度が第1級、第2級と認められる必要があります。
それぞれの制度によって「級」があらわす障害の程度は異なります。
他の何かの制度で障害等級が3級や4級など2級より低い等級で認定されていたとしても、別の制度の等級ではもっと高く認定されることはもちろんあります。
申請・申出、願い出たいと思う制度がある場合には、あきらめないで条件などを調べてトライしてみましょう。
日本学生支援機構のHPによると、奨学金返済免除の願い出の審査の結果は、申請書類を受理後おおむね1~2か月後に文書にてお知らせするとのことです。
貸与奨学金返還免除願や専用の診断書、その他必要書類や条件など、日本学生支援機構に確認しましょう。
精神若しくは身体の障害による免除のとき 独立行政法人日本学生支援機構
障害年金の請求
日本学生支援機構から学生時代に奨学金を借りていた方は、障害により奨学金を返還することができなくなった 場合、返済免除の願い出により奨学金の返還を免除される制度を利用することができます。
奨学金の返済免除が認められると、支出をへらすことができますので、経済的な生活が安定します。
支出をへらすこととは反対に、収入が増えることでも経済的な生活が安定します。
障害の状態があることで日常生活と働くことに困難がある場合には、条件をみたすと障害年金を受給することができます。
障害年金は3つの条件(3要件)をみたすと受給することができます。
障害年金受給3要件 | 障害年金を受けとるための法律上の3つの条件 |
---|---|
年金制度加入要件 | 初診日に年金に加入していること(国民年金は例外あり) |
保険料納付要件 | 初診日の前日に年金保険料の納付要件をみたしていること |
障害等級該当要件 | 障害認定日(原則は初診日から1年6月を経過した日)に障害の状態にあること |
障害年金受給3要件の参考記事
障害年金を受給することができるための3つの要件(障害年金受給3要件)をみたしているかどうか?不安な方は障害年金請求に専門的に取り組んでいる社会保険労務士に相談してみましょう。
障害年金の受給3要件については別の記事を参考にしていただいて、ここでは「診断書」について、少しだけ知っておいていただきたたいと思います。
日本学生支援機構ののHPを見ると、奨学金返済免除の願い出用の診断書は「医師が病院の封筒に封入・密封していただきますようお願いします。病院の封筒に封入密封されていない場合、本機構では受理いたしません。」とあります。
病気やケガで会社を休職するときに提出するための診断書を病院で受けとるときも、のりづけされた封筒に入っていて開封厳禁と注意されたことがある方もいるでしょう。
「診断書は見てはいけないもの」だと思ってしまう場面は多いと思います。
しかし、障害年金請求用の診断書は受けとったら必ず中身を見なければいけません。
記載された内容に誤りがないか?記載されている日付も含めて受け取った診断書は内容をチェックします。
そして、診断書の内容に誤りがある場合は医師に訂正を依頼します。
記載されている障害の状態についてもよく読み、内容に誤りがあると思われる場合には、障害の状態を正しく伝えて変更をお願いすることもあるかもしれません。
障害年金請求用の診断書の記載を依頼する前から、日常生活や働く上での困難について医師に正しい情報を伝えておくことはもちろん大切です。
そして、診断書は記載された内容についても確認することも大切です。
診断書に記載された内容に誤りがあると思われる場合には、医師に相談して訂正を求める必要があることを知っておいていただければと思います。
障害年金請求用の診断書は、病院から受けとったときにたとえ封がされてあったときでも、開封して中身を見て確認しましょう。
【編集後記】
「障害年金」という制度があることはもちろん知っているが、どうすればよいのか?よくわからないという方がほとんどではないかと思います。初回相談は無料でzoomによるオンラインでの相談も受けつけています。安心してご相談ください。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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