【労災保険】「ついうっかりして」ケガも労災。労災申請して給付を受ける

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本人(労働者)の「ついうっかりした」によるケガ。
もちろん労災保険から給付をうけられます。

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本人の不注意でケガしたから「労災にならない」はウソ

「本人の不注意」だと片付けられてしまうことがまだまだある労働災害。

うっかり忘れてしまった・間違ってしまった。

「本人の不注意の結果、ケガしてしまったんだから労災じゃない。」ではありません。労災です。

労災保険の給付を受けようとわざとケガをしたら労災ではありませんが、本人に不注意があったからといって労災でなくなるものではありません。

本人の不注意でケガしたから「労災にならない」はウソです。

本人の不注意でケガしても労災です。労災保険から給付をうけられます。

  • 労働者の不注意を防止するために何が必要か?
  • 労働者の不注意で労働災害事故・ケガを起こさないために何を改善したら良いか?

労働者がうっかりミスをしてしまっても事故・ケガを起こさない仕組みをつくることが安全衛生に欠かせません。

「ついうっかりして」起きてしまった本人の不注意による労働災害・ケガであっても、労災申請をして事業場(職場)の労働災害の再発防止のために対策を検討(Plan)・実施(Do)・検証する(See)ことが欠かせません。

ついうっかり・・・
こんなつもりじゃなかった・・・

「意図しない結果を生じる人間の行為」のことをヒューマンエラーといいます。

本人の不注意(原因)でケガをした(結果)というのは表面上の分析です。

不注意によるケガが発生(結果)してしまう職場環境(原因)は何だろう?

「ヒューマンエラーは原因ではなく結果である」と認識してこそ、労働災害の再発防止の対策ができるのです。

ヒューマンエラーの防止、ヒューマンエラーによる事故・ケガの発生を防止する安全衛生対策が会社に求められます。

  1. 人が間違えないように人を訓練する。
  2. 人が間違えにくい仕組み・やりかたにする。
  3. 人が間違えてもすぐ発見できるようにする。
  4. 人が間違えてもその影響を少なくなるようにする。

職場のあんぜんサイト:ヒューマンエラー[安全衛生キーワード] 厚生労働省

労働災害の再発防止のためにも、「ついうっかりして」起きてしまった本人の不注意による労働災害・ケガであっても、労災申請をすることが大切です。

労働災害再発防止対策書 記入例 jpg

労働災害再発防止対策書の作成にあたって 中央労働基準監督署

労災申請すると、医療費が無料になります。

そして仕事を休んで療養している日は給料(平均賃金)の80%が支給されます。

職場(事業場)の労災事故の再発防止のためにも、あなた自身の療養・休業のためにも労災申請をしましょう。

【労災保険】仕事でケガをしたら医療費・薬代が無料になる

  1. 労災病院や労災指定の医療機関で、無料で治療を受けることができます。
  2. 労災指定の医療機関以外で治療を受けた場合は治療費を自分で払いますが、あとから労災保険に請求して払った費用の全額を受けとれます。
  3. 通院するための交通費も、条件を満たすと全額が支給されます。

ケガや病気の治療を受けた場合の給付手続き

【労災保険】休業4日目から平均賃金の80%をうけとれる

仕事でケガをして療養のために仕事を休んでいる間は休業補償給付をうけられれます。

  • 業務上の事由または通勤による負傷や疾病による療養である
  • 労働することができない
  • 賃金を受けていない(受けている賃金が平均賃金の60%未満なら、休業補償給付を受けられる。)

参考記事 労災保険【休業補償給付】会社から給料出ていても受け取れるか?

休業4日目から、休業1日につき給付基礎日額(平均賃金)の80%(保険給付60%+特別支給金20%)が支給されます。

休業初日から3日目までは労災保険からの休業補償給付はうけられませんが、会社から平均賃金の60%をうけとります。
事業主(会社)が休業補償(1日につき平均賃金の60%)を支払う義務があるからです。

休業補償給付を受けるための手続き

【編集後記】

「ついうっかりして」仕事でケガしてしまった。

こんな場合も労災です。労災はかならず労災申請をします。

障害(補償)給付と遺族(補償)給付等を受ける権利は5年。それ以外の保険給付を受ける権利は2年です。
過去のケガ(労災事故)も時効消滅していない期間の保険給付は、あとからでも請求できますので忘れずに労災申請しましょう。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格